【世界三大ダービー リアル観戦記】イスタンブール・ダービー。人生で最も長いマッチデー ~フェネルバフチェvsガラタサライ~(前編)

今回は、いつもの記事とは異なり、紀行文風に書いていきたいと思います。

私が過去に海外で観戦した111試合のうち、最も強烈な試合だったのが2005年の『イスタンブール・ダービー』

アルゼンチン/ボカ・ジュニオルスvsリーヴェル・プレートの『スーペルクラシコ』、スコットランド/セルティックvsレンジャーズの『オールドファーム』と並び世界三大ダービーのひとつと称されるこの試合を現地で観戦した時の記憶を、数日前の流れから紡いでいきたいと思います。

 

変な話かもしれませんが、3日後のUEFAチャンピオンズリーグ決勝(リヴァプールが0-3から勝利したイスタンブールの奇跡)よりもこの試合の方が私の人生において重要な体験になったというのが本音です。

さすがに今はここまで危なくないのではとは思いますが、トルコらしさ全開の、めちゃくちゃで・粗暴で・でも凄く一途で・それでもやっぱりアホな出来事が続出するあのイカレた空気感が皆様に伝われば嬉しいです。

 

「世界の車窓から」風に、あるいは「深夜特急」風に、お時間のある際にゆっくりお楽しみいただければと思います!

 

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残り2試合でのダービーは、優勝が懸かった首位決戦。そしてカップファイナルのリベンジマッチに

2005年5月。

私はトルコ最大の都市・イスタンブールを再訪した。

前年にヨーロッパを3週間渡り歩き、21日間で17試合を観戦する旅を敢行。
その最初と最後に触れたこの街とここでのフットボールに大きな衝撃を受けた当時20歳過ぎの私は、必ずまた来ることを心に誓い、ダメ元で抽選販売に申し込んだ2005年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝のチケットがまさかの当選となったことを機に、そのチャンスは思いのほか早く実現したのだった。

今となってはインターネットでのチケット転売などの影響で数十倍とも言われる抽選倍率は、当時はせいぜい数倍程度で、2005年はイスタンブール、2006年はギリシャのアテネと、ヨーロッパの中心から遠く離れた開催地が続いたこの時期はもしかすると『CL決勝観戦の最後の桃源郷』だったのかもしれない。

 

のちに『イスタンブールの奇跡』と呼ばれる信じがたい試合展開となった、その5月25日のCL決勝。
その3日前には、個人的にはCL決勝以上に私が生観戦を熱望していた試合があった。

それが、世界三大ダービーのひとつ、イスタンブール・ダービー。

ヨーロッパとアジアにまたがるイスタンブールの街には、ガラタサライ、ベシクタシュ、フェネルバフチェという3つのビッグクラブがひしめいているが、
ヨーロッパサイドの名門でトルコ勢最初のヨーロピアンタイトル・ホルダーとなったガラタサライと、アジアサイドの雄・フェネルバフチェのライバル意識は異次元のものだった。

なにしろ、イスタンブールの街だけでなく、トルコの国中の人気を最も集めるのがこの2大クラブなのだから。

 

2000年にハカン・シュキュルやゲオルゲ・ハジを擁するガラタサライがアーセナルを倒してUEFAカップを制覇した夜、フェネルバフチェのサポーターが海峡を結ぶボスポラス大橋から集団自殺を図って懸命な説得を受けたのは有名なエピソード。

当時も今も毎年のように優勝争いを繰り広げる両雄は、この2004/05シーズンも1位と2位を維持し、リーグ終盤へ突入した。

一時は数試合を残して優勝すると見られていたフェネルバフチェが足踏みを続ける間にガラタサライが猛追。

さらに、5月11日のトゥルキエ・クパス(トルコカップ)決勝ではガラタサライが5-1でフェネルバフチェを粉砕し、その週末のリーグ戦でもフェネルバフチェがホームでアンカラギュヂュにまさかの敗戦を喫したことで、残り2試合となった時点で勝ち点差は1に縮まったのだった。

 

第32節を終え、
勝ち点74でフェネルバフチェが辛うじて首位、勝ち点73でガラタサライが2位につけ、次いで勝ち点71で黒海地方の星・トラブゾンスポールも優勝の可能性を残すという状況に。

そして、5月22日、あろうことか大詰めの第33節でフェネルバフチェとガラタサライが激突するのがこのシーズンの試合日程だった。


得失点差ではフェネルバフチェが大きくリードしているものの、

・フェネルバフチェが勝てば優勝決定

・ガラタサライが勝てば逆転で首位となり最終節へ。しかも最終節はホームで勝利濃厚

・引き分けになった場合、トラブゾンが先に勝利を決めていたため、勝ち点1差に3クラブがひしめいて最終節へ

という、十年に1回あるかないかという危険極まりない試合日程に胸を焦がし、CL決勝よりも早く、私はイスタンブールの街に向かったのだった。

 

着いてすぐに気付いたのだが、CL決勝まで残り1週間を切っても、スポンサーの看板を除けばこの街はまだ「CLモード」にはなっていなかった。

週末に控える、優勝を懸けたダービー。

それ以上の重みを持つものは、他に無かったのだから。

 

恐怖のチケット購入

当時、トルコのシュペル・リグのチケットはビレティックスというチケットぴあの簡素版のような会社が販売しており、発売開始は試合の数日前というのが慣習だった。

それまでの傾向から、5月22日の試合は日曜開催なのでチケット発売は5月19日(木)と予想。
そこに合わせて18日にイスタンブールに着いた私は、翌朝、早起きしてビレティックスの窓口があるミグロス(トルコにたくさんあるスーパーマーケット)に向かったのだった。

 

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朝7時半の時点で100人いるかどうかという人数がすでに並んでおり、当時のトルコなのでもちろん男だけ。

しかもほとんどヒゲ面。

そこに当時まだ20代だった日本人が一人紛れて並ぶのはなかなかシビアな時間だった。

 

長い待ち時間を終え、なぜかかなり半端な時刻にチケットが販売開始に。
後方を見るとかなり列が伸びている上、仲間を待っているのかチケット購入者を襲おうとしているのか、見るからにアブなそうな連中が駐車場付近にたまっている。

列と言ってもそこはトルコなので、1列だったはずがだんだん後ろの奴らが前に詰めてくるせいで1.8列くらいの状態になっていたので、後ろの奴を入らせないように金を抜かれないようにチケットを受け取った後にすぐ懐に隠すように、という3点に気を付けながら、私の順番になった時にどうにかゴール裏のチケットを購入した。

 

当時のトルコの試合はゴール裏で1,000円~1,500円程度が相場だったが、この試合は3,000円ほど。

倍額の定価が設定されるくらい重要度の高い試合であり、4万人少々のスタジアムでは収容しきれないニーズがあることは間違いなかったので、この時点でチケットを買えたのはかなり安堵できた。

 

ただし、そのままミグロスの敷地外に出ると集団暴行を受けてチケットもろとも衣類を剥ぎ取られる可能性が否めなかったので、一旦ミグロスの売り場で時間を潰し、いくつか飲み物やお菓子を買い、ビニール袋を下げてスーパーで買い物するのが目的だよという雰囲気を全身から放ちながら周囲を警戒して外に出たのだった。




試合当日。昼のよそよそしさと、船上に響くコール

チケットを買った後には、トルコ国内ではサッカーに次ぎ人気の高いバスケットボールのベシクタシュの試合を観に行き、
ダービーの前日、5月21日の土曜日には今や立て替えによって「ヴォーダフォン・アリーナ」となった旧・BJKイノニュ・スタディウムでベシクタシュvsカイセリスポールを雨の中観戦した。

身長195cmのFWカリュウへひたすらロングボールを放り込むあの退屈なサッカーを踏まえれば、CLで決勝トーナメントに進出した今季のベシクタシュのサッカーはまさに「隔世の感」と思わざるを得ない。

 

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そして迎えた、5月22日。決戦の日。

イスタンブールの街は、いつもと同じように美しく、多少のすすけた匂いを放っていたが、それでいてどこかピンと糸が張ったような緊張感も漂わせていた。

普段は、試合があろうがなかろうが、通勤だろうがデートだろうがイスタンブールの3強のウェアやユニフォームを来た人が散見されるのだが、この日はあえてそうしない、いや、できないのか、いつものイスタンブールとは違うよそよそしさがあったのだ。


おそらくこの日、両クラブの何かを目立つように身に付けた者がいたら、派手な出来事に発展していただろう。
だからこそ、普段やたらフットボール感を出している人(単に好きなクラブを押し出しているだけの純粋な気持ちで)が多い街で“普通の服”がやたら着られていたのだと思う。


キックオフは19時だったが、トルコはヨーロッパの中では珍しく、数時間前から客席に人が押し寄せる。

ゴール裏は自由席なので、17時頃には着けるように、ヨーロッパ側のエミノニュ桟橋からアジア側のカドゥキョイ桟橋へ向かう船に乗った。

2013年にボスポラス海峡の下を海底トンネルで地下鉄が通るようになるまでは、こうした船で海を渡るのが庶民にとって第一の手段だった。

フェネルバフチェのホーム、シュクリュ・サラチオウル(現在はネーミングライツでユルケル・スタディウムに)へ向かうには、船に乗るこの手段こそが風物詩だったのである。

 

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20分ほどの航行の後半に差し掛かる頃、「本気モード」になったのか、ビールの酔い(トルコはイスラム圏ながらビールも普通に売っている)が加わったのか、船上でフェネルサポーターが大声でコールを開始!

いくつかの単語から「ジンボン(ガラタサライの通称)をぶちのめせ!」「かかってこいよ」のような意味だと思われるそれらの声で、船上の空気はヒートアップ。


数百枚しかアウェイ用のチケットはなかったはずなので、船に乗っているのは大多数がフェネルサポか一般の人。赤い服を隠していたガラタサライサポーターにとっては怒りで身が震える時間だったに違いない。
(それこそ、赤い服をそのまま着ていたら船の中でとんでもない目に遭っていたであろう。)


そんな船内の喧噪をよそに、船は重厚な装いの国鉄ハイダルパシャ駅の横を進み、エミノニュの桟橋に到着した。

 

突破を図る群衆と徹底的に検挙する警備隊。カオスと化した入場ゲート

海外サッカー観戦のうち、危険度の高いスタジアムを訪れる上での鉄則は『手ぶらで行くこと』。

この日は本当に何が起きるかわからないので、カーゴパンツの下に長い靴下を履き、左にクレジットカード、右に紙幣をシンガードのように収納。
あとはパスポートとチケット、小額紙幣、デジカメをカーゴパンツのポケットに入れてスタジアムへ向かった。

桟橋から10分ほど歩いてシュクリュ・サラチオウルの姿が見えると、南スタンドの入口にはキックオフ2時間前というのにすごい行列!

そしてすさまじい数の警備隊が入場口を取り締まっていた。

そこで目にしたのは…、
チケットなしで入場口の突破を図り、逮捕される男どもの数々。

見た感じでは、入場しようとする群れのうち、3人に1人しか中に入れていないような割合だった。
つまり、チケット所有者の倍の人数がチケットなしで強行突破しようとしているというわけだ。

それも、体を押さえつけられながら絶叫する者や、警官を殴りながら突進して止められる奴など、なりふり構わない決死の形相で。

ここを通らなければ、スタジアムの中には入れない。

しかし、自分の周囲には餌に飢えた猛獣のような輩が群がりながら入場口への列に紛れている状況である。

最大限に周囲を警戒しながら「次で俺の番だ…」と思ったら、目の前にいた私の直前の男が急に突破を図り、4人がかりで押さえられ検挙された。

「俺、早死にするとしたら今日かもな」

そう思いながら、決死の思いで入場口のおっちゃんにチケットを出したのだった。

 

「ビーッ」というエラー音が鳴る。

券面のバーコードをかざしているのに、狭い鉄格子のターンテーブルが開かない。

 

偽のチケットなのか!? そんなバカな!

と慌てたら、係のおっちゃんがよくわからないトルコ語で「ここじゃない、もっと奥の、むこうのゲートだよ」と言っている模様。

そのやりとりをしていた数秒の隙を突いて俺の後ろの奴が突破を敢行し、捕まっているではないか!

 

今ゲートを素直に離れたら、チケットどころか身ぐるみ全部剥がされるほど襲われる。

そう察知した私は、ゲートの隣に遭ったオフィシャルショップにとっさに逃げ込み、周囲の目が私から離れた間に走ってスタジアムの外周を移動し、北スタンドのゲートへ向かった。

 

そこでも同様に多数の男どもが突破未遂で検挙されるさまを目の当たりにしながら、今度こそなんとかゲートを通過。

ゲート内の“安全地帯”に入った私は、荷物検査どころではない二重・三重の厳重なボディチェックを受け、チケットに書いてあったゴール裏の2階席へ向かった。

 

2階席に着いたら過激なコアサポのエリアを避けてその脇で試合を観られたら十分だな…と思っていたのだが、そうすんなりとはいかないのがトルコだったのである。

 

~ 【後編】へ続く ~

【世界三大ダービー リアル観戦記】イスタンブール・ダービー。人生で最も長いマッチデー ~フェネルバフチェvsガラタサライ~(後編)





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