今日は、ロシアとフィンランドを繋ぐ一風変わったアクセス方法をご紹介します!
実は、ロシア第2の都市・サンクトペテルブルクとフィンランドの首都・ヘルシンキとの間を、特急列車や夜行列車が走っているのです。
もともと同じ国だったこともあるこの地域。
その両都市間を3時間半ほどで結ぶ国際列車「アレグロ号」(ALLEGRO)に乗った際のレポートを写真付きでお届けします!
ロシアはまだLCCの国際線就航が限定的で、高額な便も少なくないのが実情です。
しかし、このルートを知っていれば、比較的安価にフィンランドから陸続きでロシアに入国することが可能になります。
日本から直行便もあり人気の高いヘルシンキはもちろん、日本から行くには少々ハードルが高いサンクトペテルブルクも、私がこれまで訪れてきた中でトップ20には確実に入る美しい街です。
この記事では、アレグロ号の車内の様子だけでなく予約方法や座席表の調べ方、気を付けないと迷子になりかねない改札の場所、そして実際に感じた列車での国境越えならではのメリットもお伝えしますので、北欧での列車旅にご興味のある方はぜひご覧ください^-^
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- 1 座っているだけで入国できる! アレグロ号の時刻や所要時間、編成など
- 2 【画像付き解説】アレグロ号の予約方法
- 3 【写真付きレポート】アレグロ号の1等車に乗車!サンクトペテルブルク/フィンランド駅からヘルシンキ中央駅まで乗り通してみた
- 4 一等車に乗った感想と、編成表・座席表の見つけ方
- まとめ:ヘルシンキとサンクトペテルブルクを3時間半で結ぶアレグロ号。空港に行く必要がなく価格も手頃なのでおすすめですよ!
1 座っているだけで入国できる! アレグロ号の時刻や所要時間、編成など
アレグロ号は、フィンランドのヘルシンキ中央駅とロシアのサンクトペテルブルク/フィンランドスキー駅を3時間半ほどで結ぶ特急列車。
「ALLEGRO」という愛称は、音楽用語の「速く」からきています。
スピード感のある列車名ですね^^
時刻はフィンランド国鉄「VR」のサイトに載っています。
⇒ Train timetables between Finland and Russia
料金は、日にち(曜日)や時刻によって異なりますので、VRのサイトから検索して調べましょう。
ざっくりですが、2等車で39ユーロ~69ユーロほど、1等車で75ユーロ~139ユーロほどです。
中央値で言えば、2等車は7,000円程度、1等車は13,000円程度という感じですね。
国際列車ならではの特徴として、途中に車内で出入国審査があります。
国境付近の駅で両国の入国管理官がそれぞれ車内に乗り込んでくるので、シートに座って待っていればOK。
空港のようにわざわざ列に並んで待つ必要はありません。
両都市は空港まで片道40分程度のアクセスで、しかも飛行機利用では搭乗手続きや出入国手続きの時間も見込む必要があるため、飛行機利用がスムーズに進んだとしても時間・手間のメリットがあります。
アレグロ号の編成は、1等車1両と2等車5両、そして食堂車1両の7両編成。
1等車は一番ヘルシンキ寄りの1号車なので、ヘルシンキ行きなら先頭、サンクトペテルブルク行きなら最後尾となります。
2 【画像付き解説】アレグロ号の予約方法
アレグロ号の予約は、日本に居ながらインターネットでできます。
サイトは、前述のVRのホームページから。
ロシア国鉄RZDのサイトからも予約できますが、心理的にはVRからの方が安心感があるでしょう(^^;
ロシア発の場合もVRのサイトで予約した切符(かEチケット)で乗車できます。
ということで、この章では列車の検索から予約を確定するまでの手順を画像付きで解説しますね!
1 フィンランド国鉄「VR」の列車検索ページにアクセス
⇒ VR train tickets online. Search timetables and buy tickets
2 乗りたい区間・日時を指定して「SEARCH TRIPS」を選択
※サンクトペテルブルク発着で検索したい時は、「saint peters〜」ではなく「st. peters〜」と入力していきましょう。
おそらく「st.」を入力した時点で候補が出るはずです。
3 その日の検索結果が出ます。列車、席種を選んで「CONTINUE TO SEAT SELECTION」を選択
4 座席を選ぶ場合は「SELECT SEATS」を、選ばない場合は「PROCEED TO PAYMENT」を選択
※座席指定をする際は、4章でご紹介する方法を使って座席表を見ながら操作することをおすすめします。
5 個人情報を入力します。国籍は3文字しか入らないので「JPN」と入力しましたが、特に乗車に問題はありませんでした。
6 ログインかサインイン(会員登録)をする項目がありますが、無視してその下の欄で受け取り方法(メールか駅の窓口か)と任意の認証番号を指定してしまってOKです。
7 その下に支払方法について記載があるので、クレジットカードで支払う場合には赤枠で示した4つのうちいずれか(日本発行のクレカなら左から数えて1番目か3番目)の枠を押す
8 カード番号などの入力欄が出てくるので、カード情報を打ち込んで「Pay」を選択
以上でアレグロ号の切符の購入操作は終了です!
すると、すぐに自動返信メールで「E-Ticket」のPDFファイルが送られてきます。
あとは、これを印刷して乗車当日に駅へ持参しましょう!
それだけで良いので、楽チンですよ^^
3 【写真付きレポート】アレグロ号の1等車に乗車!サンクトペテルブルク/フィンランド駅からヘルシンキ中央駅まで乗り通してみた
それでは、乗車レポートにまいりましょう!
私が利用したのは2017年8月。
ビジネスクラスを使ったロシア&北欧マイル旅行 の序盤に、サンクトペテルブルクからヘルシンキまで1等車を利用して乗り通しました。
(1) 【地図あり】間違えないで! サンクトペテルブルク フィンランドスキー駅のアレグロ用ホームは他の列車とは違う!
まずは、サンクトペテルブルクのフィンランドスキー駅へ。
ホテルから地下鉄利用で1回乗換、計3駅だったのですが、ウェブクーポンが使えたので配車アプリ「Uber」を利用。
荷物も積んでもらえて、非常に簡単に駅まで乗せてもらえました^^
駅の構内に入ると、スニッカーズなどのお菓子やコーヒーなどの自動販売機があります。
ちょっと着くのが早すぎたので、上の写真の位置から見ると右奥に位置する暗い待合室でスニッカーズでも食べながら休憩することにしました。
行き止まり式の構造なので、こうして待っていればすぐ乗れるもの。
…そう思いがちですが、アレグロの改札は実は別の場所にあるのです。
メインの改札口ではなく、一旦外に出て、敷地の左側(西側)から回り込んだ所に改札というか受付があります。
地図で言えば、以下のような感じ。
駅構内に居ても特に目立った案内はなかったので、ここは要注意です。
ということで、正面に出てからぐるっと右側に回りましょう。
駅の敷地の西側をなぞる感じです。
正直、国際列車の乗り場っぽい雰囲気は皆無なので、「コレ、本当に列車乗れるのか?」と不安でした。笑
200メートルくらい歩いた時でしょうか。
突然入口が現れます。
右にある扉こそが、アレグロの乗り場への入口。
地元の人が出入りするスーパーマーケットかと思うくらい不意打ちっぽい佇まいです。
荷物検査を通るとすぐに受付があるので、印刷しておいたVRからの予約確認メールとパスポートを渡せばOKです。
問題がなければ、改札を通るよう促されます。
さっそくホームに出ると、こんな感じ。
アレグロのホームは一番西端なので、人の動きは少ない様子です。
青空も綺麗で、まさに夏の列車旅!という感じですね^^
とテンションが上がっていたところで突然
「ピピーーッ!」
と、笛を鳴らす音が。
ん、俺??
と思ったら、警官らしきおばちゃんが来て英語で
「フォト? ノー。ショウミー」
と私に指示。
S7航空のお姉ちゃんのような怖い感じではないのですが、やっぱり異国でポリスと話すのは緊張感が高まるもので、仕方なくおばちゃんにモニターでデジカメ(コンデジのG7Xです)のモニターを見せます。
で、1枚ずつ見せるように言われるのでその通りにすると、
「…Delete. …OK. …OK. …Delete! …Delete! …OK. …Delete!」
と、残して良い写真と削除しないといけない写真を指示してくるではありませんか。
あくまでホーム内に入ってから撮った写真のみの検閲でしたが、何が良くて何がダメなのか尋ねてみると、
警官の姿が写っているものはダメ、列車や建物だけが写った写真なら問題ない とのことでした。
と言っても、視界に入るおまわりさんの人数が日本とは比べものになりませんから、結構な枚数の写真を消されてしまいましたけどね(^^;
地下鉄であれば、警官がギラギラ眼を光らせていた2010年頃と比べれば随分寛容な雰囲気になり、写真を撮っていても一切咎められることはありませんでしたが、ロシア国鉄は今でも結構厳しいようです。
90年代や80年代などはもっと凄い緊迫感だったのだろうな…などと、かつての名残に思いを馳せた経験となりました。
(2) アレグロ号 1等車の車内へ
そんなこんなでちょっと時間がかかりましたが(笑)、先頭にあるアレグロの1等車に乗り込みます!
線路の幅が日本の新幹線より広い1,524mm(1,520mm?)なので、ただでさえ車体が広いところに、余裕の3列シート。
2等車もチラッと見ましたが、2+2の4列シートでも広さは十分ですね。
1号車は、進行方向を向いている席と逆向きの席がこんな感じで入り乱れており、一番奥は向かい合せのテーブル席になっています。
そして、その中間にコーヒーや紅茶、水などを好きに持って行けるコーナーがあります。
なお、座席表を見られるサイトのURLはこの記事の終盤でご紹介しますので、進行方向を向いた席や向かい合せの席を利用したい人はご活用ください^^
11:30、定刻にサンクトペテルブルクのフィンランド駅を発車。
数分後には、アテンダントのお兄ちゃんが食事のメニューを持ってきてくれます。
食事は、1等車なら無料で提供してもらえるのです^^
私は魚とオムレツ?をチョイス。
出てきたのは、飛行機の機内食をボリューム多めにしたような感じのランチメニューでした。
妻の分はこちら。
野菜もりだくさんのサンドイッチとかそんな感じだったと思います。
どちらのメニューも、量もさることながら、味もまずまずで、通常の飛行機の機内食よりも美味しく感じました!
フィンランドに着いてから食事をとるのだと物価が高いので、その前に食べられて良かったです(^^;
私たちが昼食をとっている間も、ずっと林の中を走っているような車窓が続きます。
国境に近付き、ロシア国内最後の停車駅・ヴィボルグ駅付近になると、海や湖などに面した風光明媚な景色に。
進行方向左側(方角で言うと南側)も良い景色が続きます。
このあたりの車窓は本当に綺麗でした!
そんな景色の中を、高速で突っ走るアレグロ号。
まさに世界を鉄道で旅する醍醐味ですね^-^
(3) 国境の駅で運転停車。車内で行われた出入国審査
美しい景色に心を洗われていると、そのうち小さな町の駅に列車は運転停車します。
旅客の乗降はできませんが、ここでロシア、フィンランドの順で入国管理官が乗車。
切符(私の場合はメールの印刷物でしたが)とパスポートをチェックしに来ます。
1等車だったこともあってか、特に質問などもなく終わりましたが、想像通り仏頂面のロシア人国管理官と接した後にフレンドリー気味なフィンランド人の人国管理官からパスポートの返し際に
「Have a nice day. ふふっ」
と言われた時は、その差にびっくりしました。
こんなセリフ、ロシアに居る間は一度たりとも言われたことはありませんでしたから。笑
(4) 35分遅れでも特にアナウンスはなくヘルシンキ中央駅に到着
国境を越えてフィンランドに入っても、林の中を走るコースは続いていきます。
そりゃそうですよね、同じ国だった時代もあるわけですから。
やることが終わって気が楽になったのか、妻は爆睡。
その間に座席をいろいろいじったり、1等車の探検をしてみることにしました!
座席は、1等にしては結構硬さを感じます。3時間半乗っているとさすがに疲れますね。
とはいえ、さすがの3列シートで足元と左右がとても広いのと、天井が高い上に着座位置が低いので、精神的な圧迫感はありません。
また、車内には無料WiFiも完備。
電波の状態も良く、不満は感じませんでした。
日本の公衆WiFiと同じようにアクセスすれば良く、ロシアの公共施設のWiFiでよくあるSMS認証タイプではなかったので便利です。
これなら現地SIMカードを入れていなくてもWiFiを使えますからね^^
1号車の後方のデッキの近くには、トイレと大型荷物置き場がありました。
トイレは、1等だからといって特に綺麗なわけでもありませんでしたが、まぁ中の上くらいです。
日本の新型特急の方が綺麗ですね(^^;
お次は、車両中間のカフェコーナー。
ポットが2つあり、コーヒーかお湯を選べます。
紅茶が良ければティーパックをご一緒に。
単に飲み放題ということだけではなく、3時間半の道中でこうして気分転換の時間を設けられるのが良かったですね!
あとはゆっくりお茶しながらWiFi使って車内で映画でも見ていればOKです。
(アレグロキャンディーも貰いました。)
…と言いたいところだったのですが、この列車、1等車でも結構揺れるんです。
高速列車といってもドイツのICEやスペインのAVEのような滑らかな走りっぷりではないので、この点はあまり期待しないようにしましょう(^^;
ヘルシンキの空港に行く時に乗換駅となる ティックリラ駅まで来ると、住宅の数も随分増えてきます。
気が付いたら35分くらい遅延していますが特にアナウンスがあるわけでもなく(笑)、急ぐ人もいないのもこのあたりの国らしいですね。
こんな風に余裕を持って日々を過ごしたいものです。
15:35頃、ヘルシンキ中央駅に到着。サンクトペテルブルクに負けない良い天気です!
行き止まり式のホームなので、先頭となる1号車なら降りたらコンコースはすぐそこです。
後ろを振り返ると2号車以降から下りてきた人がたくさん向かってくるところでした。
隔離された1号車に乗っていると実感しづらかったのですが、こんなに乗っていたのか!と驚くとともに、この列車の需要を感じる光景となりました。
ヘルシンキ中央駅からサンクトペテルブルク行きのアレグロ号に乗る場合には、サンクトペテルブルクの場合とは違いごく普通のホームから出発するので、駅の案内に従って進めば大丈夫でしょう^^
4 一等車に乗った感想と、編成表・座席表の見つけ方
アレグロ号の1等車に乗った感想としては、「豪華」という感じではなかったものの、やはり実用面+αとしての乗り心地は十分だなと感じました。
通路も広く、2+1配置の列なので一人旅の人にとっても快適に過ごせることでしょう。
見た感じは2等車でも問題なさそうですが、3時間半乗っていると飽きてくると思うので、差額さえ問題ないのなら2等車より空いていてカフェコーナーで気分転換もできる1等車の方が気分的には良いかなと思います。
数千円足すだけで良い価格差ですからね^^
また、ヘルシンキに着いたら真っ先に下りられる(または、すぐに乗れる)のも良い点ですね!
なお、今回は1等車の進行方向を向いた席を予約したわけですが、前述のように、アレグロ号の座席の向きは結構クセがあります。
何も考えずに予約すると、進行方向の逆向きな席を取ってしまう可能性が50%ありますので、予約・購入をする前に座席表を見ておきましょう。
私が参考にしたのは、コチラのサイト。
Поезд «Аллегро»: описание и схемы вагонов, услуги
完全にロシア語ですが、座席図と1等車・2等車の写真がそれぞれ掲載されており、大いに役立ちました。
例えば、写真のサムネイルの所を押すと、こんな風に拡大されます。
また、「2 вагон」(2号車)という文字をクリックすると、座席の向きまでわかる座席表が表示されます。
これは各号車の分を選択できます。
予約する際には、これを活用して、希望する席の号車・座席番号をマスターしてから確保すると良いでしょう!
なお、景色が良いのはどちらかと言うと南側の席。
ヘルシンキ行きの進行左側、サンクトペテルブルク行きの進行右側となります^^
まとめ:ヘルシンキとサンクトペテルブルクを3時間半で結ぶアレグロ号。空港に行く必要がなく価格も手頃なのでおすすめですよ!
以上、今回はサンクトペテルブルクからヘルシンキまで利用した国際列車「アレグロ号」の概要、乗車レポート、インターネット予約方法などをご紹介してまいりました。
毎日朝から夜まで4往復が設定されており、航空券と比べて価格も手頃なので、フィンランドとロシアの両国を旅する人にとって貴重な選択肢になるこの列車。
空港に行く必要もなく、入国審査の列に並ぶこともないので、心身ともに楽な移動を実現できることでしょう^^
途中には景色の良いエリアもありますので、この2都市を訪れる機会がありましたら、ぜひアレグロ号で国境を越える列車旅を楽しんでみてくださいね!
——–
そろそろワールドカップ開幕まであと少しということで、5月はロシアの観光・交通・食事など旅行に関する情報を多めに掲載していく予定です。
今後もお楽しみいただければ幸いです!
(この情報は2010年~2017年8月時点のものとなります。ご利用にあたっては念のため最新の情報をご確認ください。)
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★ 私はお金をかけずこんな感じでマイルを貯めて、海外旅行も国内旅行も繰り返しています!
本来高額なビジネスクラスも、マイルなら十分手が届きますしね ★
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