DAY 23:6/22(土) 準々決勝 スペインvs韓国(光州)観戦記 ~20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』~

6月22日(土)。
4日ぶりの試合観戦だ。

 

今日は15:30から準々決勝。
スペイン対韓国の一戦に行く。

その後、帰ってきたら20:30から大阪でやるセネガル対トルコのテレビ中継を見る予定だ。

 

韓国のワールドカップ会場は大抵どこもそうだが、都市の中心部から4~10kmくらい離れた場所にある。
ソウルや水原は駅から近いが、この間行った大田も、今日の光州も、来週行く大邱も中心部からバスに乗っていくことになる。

そのため、13:30頃にはバスに乗っていることにしよう。

 

それまでは特にやることがなかったので、午前中はゴロゴロして体力を温存してから昼に光州駅へ向かう。

12時過ぎに、公衆電話に向かった。
この頃、KDDIのスーパーワールドカードというプリペイドカードを持っていれば、外国の公衆電話から金額に応じて国際電話をかけることができた。
これは結構使い勝手がよく、その後も2004年のヨーロッパ旅行や2006年の南米旅行でも日本へ電話する際に利用したのだった。

3,000円分だっただろうか、2週間だからということで1枚池袋の金券屋で買っておいたカードを使って実家にかけた。

 

続いて、大学の2限の英語の授業が終わった頃に合わせて、代表格の奴の携帯にサプライズを兼ねて電話した。

ドライな反応だったら悲しいなと思っていたが、予想以上に驚いてくれて、何人かに携帯を回してもらって話すことができた。

週に4回会っていた連中と1週間会わずにいるというのは、数字以上に寂しいものだ。

次に会うのは10日後の授業の時か。
それまで、自分にしかできないことをやりきって日本に帰ろう。

そんな気持ちを新たにする。

 

今日の試合が終わってから光州駅付近に戻ってくるのは18時半頃、PK戦になれば19:30頃かもしれない。

ということで、なるべくこの日の昼食は多めに食べることにした。
人の出入りがある焼き肉屋っぽいお店があったので、そこでランチセットみたいなものを選ぶ。

鉄の箸で食べるのも、最初は指が疲れたがたんだん慣れてきた。
周囲の人たちが喋っている韓国語がまったくわからないことは4日経っても変わらないけれど。

よせばいいのに冷麺まで追加で食べて満腹になってから光州駅へ戻った。




 

光州駅からスタジアム行きのシャトルバスに乗る。

光州ワールドカップスタジアムも、中心部から5, 6km離れている。
バスの中はもちろん9割方韓国人ばかりで、韓国語が飛び交う車内で揺られながらスタジアムの前に到着した。

 

もともと写真で見ていた際には屋根の形状から「埼スタみたいだな」と思っていたが、実際に見ると1階席の上段が地上の高さだったので想像よりかなり小さく感じられた。

ピッチはその下に掘り下げられているようなイメージだ。

 

スタジアムの外はこのような感じ。

 

ちょっと早いがスタンドの中に入ることにした。

今日のチケットも海外販売分のバラで買ったカテゴリー2だったが、4日前のイタリア戦とは真逆でバックスタンドの2階席、それもまあ上の方だ。
俺の中ではこのワールドカップ観戦15試合の中で一番のハズレ席ではある。

 

向こう側のゴール裏ではコレオで使うらしいシートがもう座席に貼られている。

アジアのプライドなんて背負わなくていいから韓国のプライドだけ背負ってくれ。
と、当時の俺は思った。

 

このスタジアムは、陸上競技場として作られているが、W杯期間は1階席の前段に仮設席?追加席?がせり出ている。

陸上競技の際はそこがなくなってトラックが露わになるという構造だ。

 

ウォーミングアップが始まる頃にはスタンドの半分以上は埋まっていた。

 

韓国代表のことはイタリア戦の観戦記の中でかなり述べているのでざっくりとした紹介にとどめるが、大黒柱のDFホン・ミョンボを中心とした3-4-3でハードワークを絶やさないチームだ。

攻撃はソル・ギヒョン、アン・ジョンファン、パク・チソンの3トップとしつつ、セレッソ大阪にいたファン・ソンホンを終盤に投入するというのが基本布陣。

W杯後も含めるとスタメンの約半数がJリーグでのプレー経験を持つことになるメンバー構成だった。

 

対するスペイン代表は優勝候補の一角。

グループBを危なげなく1位通過し、ラウンド16ではミラクル・アイルランドにPK戦へ持ち込まれながらもなんとか辛勝した。

 

この頃のヨーロッパのクラブシーンといえば、最も華があったのはスペインのリーガだった。

プレミアリーグは今よりもフィジカル重視のチームが多く無骨なステージだったし(俺はそこが好きだった)、バイエルンをはじめとするドイツ勢もCLで力を発揮していたが、2000年前後のこの時代ではレアル・マドリードとバルセロナの2チームがずば抜けた花形だったことは誰にとっても間違いなかっただろう。

バルサは前線にリバウド・サビオラ・クライファートにルイス・エンリケ、後方にはシャビやプジョルという今ではバルサの監督を務めるような選手も現役でプレーしており、
一方のレアルはまさに「銀河系」の時代で、イエロにジダン、カシージャス、ラウール、ロベルト・カルロス、そしてバルサから『禁断の移籍』で加入したフィーゴと、どちらも錚々たる顔ぶれだった。

 

加えて、この頃CLで躍進していたヴァレンシアの主力だったメンディエタやバラハ、リーグ優勝を遂げた「スーペル・デポール」デポルティヴォ・ラ・コルーニャの主軸ヴァレロン、レアル・ソシエダで「スペインのベッカム」と恐れられる正確な左足キックを武器としていたデ・ペドロ、そしてベティスで頭角を現したキレキレのドリブラー・ホアキンといった豊富なタレントがスペイン代表には名を連ねる。

輝かしいメンバー構成のこのチームは、ベスト4くらいは当然、優勝だって現実的に狙えると目されていた。

 

ドイツが待つ準決勝に勝ちあがるのは、スペインか韓国か。

イタリア戦とはまた違う盛り上がりの中、選手入場の時刻を迎えた。

 

こうして見ると、本当に埼スタに似ている。

今日は通常通り、ホーム扱いのスペインが赤い1stユニフォームを、ビジター扱いの韓国が2ndユニフォームを着用している。

 

こちらは韓国側のゴール裏。

一番前の7列分くらいが、本来の陸上競技場モードより前に出ていることがわかるだろうか。

 

前半はスペインが向こう側のゴールへ、韓国がこちら側のゴールへ攻める。

さあ、試合開始だ。

 

ラウンド16ではともに延長戦にもつれる死闘を演じていただけあって、前半はお互いに堅い入り方をする。
しかし、徐々にペースを握っていったのはスペインだった。

前半27分、左利きのデ・ペドロのFKが韓国DFの誰もいない所に飛んだが、モリエンテスのヘッドはGKイ・ウンジェがキャッチ。

31分にもデ・ペドロのCKからイエロが狙うがゴールの上に外れた。

 

韓国は劣勢の時間が続く。

CKはあったものの、決定機と言えるチャンスはなかった。

 

スペインの攻勢は続く。

42分には、ホアキンが右サイドを突破してゴール前へ鋭いクロスを入れたが、飛び込んだモリエンテスにはわずかに合わず。

数分後にはホアキンがハーフウェーライン付近からゴリゴリにホアキンするドリブルでゴール前まで突進、シュートが流れたところをデ・ペドロがあわやというシュート性のクロス。
その続きのプジョルによるロングスローからエルゲラがフリーでミドルをぶち込みに行ったがわずかにポストの左へ。

 

そして、前半ロスタイムも3分に差し掛かる頃にはCKからまたもイエロが頭で合わせたがこれもクロスバーすれすれを外れた。

 

前半は0-0で終わったが、このままいけば順当にスペインが勝つかなという内容だった。




 

メインスタンドによる日影が少し伸び、後半が始まった。

風のおかげで依然として暑さはあまりない。

 

試合は後半開始早々に動きを増す。

後半4分、こちら側に攻めるスペインはバックスタンド寄りとなる右サイドからヴァレロンのFK。

バラハのヘッドがふわりとファーサイドに決まったが、その前にバラハが相手のユニフォームを引っ張っていたことがファールと判断されノーゴールに。
まあたしかに強く引っ張っていたからこれは仕方ないだろう。

 

次のプレーでも、右サイドでヴァレロンからホアキンへスルーパス。

ゴールライン付近まで深くえぐってから低いクロスを入れたが、猛マークに遭っていたモリエンテスは触るのがやっとで枠には飛ばせなかった。

 

ところで。

このあたりから、俺にとって腹立たしい出来事がたびたび起こった。

 

ご覧の通り、この試合はバックスタンドの2階席で観戦していたのだが、後半の途中から前の列の奴が前かがみになって試合を見るようになった。

スタジアムというのは、前かがみの姿勢で見るのではなく背中を背もたれにつけた状態を想定して設計されている。
つまり、前かがみになられるとそいつの頭のせいでピッチへの視界が妨げられるのだ。

じっとしているのならまだ許せる。
しかしそいつは落ち着きなく頭の位置がウロウロチラチラ動くので、目障りと言ったらありゃしない。

さすがに何度もそうされると腹が立ったので肩を叩いてジェスチャーとともに指摘したが、姿勢が完全に直ることはなく、延長戦まで俺のイライラは続いた。

 

もともと俺は普段ゴール裏にいるので、ゴール裏はもとより、バックスタンドでも下の写真のようにチャンスで思わず立ち上がるくらいは全然問題ないのだが、そうでもないシーンも含めて常時視界を邪魔されるのがこんなにイラつくものだとはこの時に初めて思い知ったのだった。

長らく当サイト「サカ×マイル」をご覧の皆さんならお分かりの通り、俺はめったに2階席で観戦することはなく(日産スタジアムでのJリーグのようなガラガラな試合はあえて余裕のある2階席に行くこともあるが)、基本的に1階席の10~25列目くらいで見ることが多い。

その理由の一つが「2階席以上だと前列の人の態度と姿勢次第で視界が妨げられることがある」点だというのを、これを機にご紹介しておきたい。

 

さて、後半21分、ようやく韓国が決定機を迎える。
まさにこのシーン。

ソン・ジョングクのCKの流れからイ・チョンスのボレーはDFに当たり、ファーでフリーのパク・チソンのもとへ飛んだ。

 

胸トラップから撃ち込まれたボレーシュートに対し、飛び出したカシージャスが右手一本で止めるスーパーセーブ。

なんだあの反射神経は!

そう思うしかない、ワールドカップならではのビッグプレーだった。

 

今度は逆に、スペインの決定機。

27分、ホアキンがまたも強引な突破、ヴァレロンとのワンツーでリターンを受け、右足を強振!

これは右のサイドネットに外れた。

 

ここからスペインはペースを取り戻した。

 

後半ロスタイムに入った頃のイ・チョンスのシュートはカシージャスが止めた。

さすがの安定感。

試合は0-0のまま後半終了となった。

 

両チームにとって、ラウンド16に続き2試合連続の延長戦突入。

疲労は少なからずあるだろう。

 

延長戦が始まる。

もちろんこの試合も、点が入った時点で試合終了となるゴールデンゴール方式だ。

 

韓国側のゴール裏はこのような感じ。

 

休養日が多かったスペインが有利と見るか、PK戦になれば韓国が有利と見るか。

延長前半がスタートした。

 

延長前半2分、大会屈指の「間違いない誤審」が俺の目の前で起きた。

右サイドからホアキンが深い位置までえぐってクロス。

だが、ボールが浮いている間に笛がなり、ゴール前のモリエンテスが頭で合わせてゴールネットを揺らしたがノーゴールの判定となった。

 

俺の位置からならわかった。

ボールはゴールラインを割っていない。
正当なクロスであり、笛によって韓国の選手たちがもう動きを止めたとはいえ、モリエンテスのヘッドはゴールデンゴールをして認められるべきだった。

 

周囲の韓国人たちは安堵の声を上げ、俺は心の中で「チッ、クソが」と思った。

入っていれば、次に観戦する準決勝はドイツ対スペインに決まったのに。

 

明らかな誤審で勝利を奪われたスペインは気落ちしてもおかしくない状況だったが、10分にも猛攻を見せる。

ホアキンのロングカウンターがスライディングを受けてボールがタッチラインを出た直後、ホアキンはすぐにスローイン。
虚を突かれた韓国DF陣が揃ってっていない中でトラップしたモリエンテスが渾身のシュート!

GKイ・ウンジェも見送るしかなかったボールは、左ポストを叩き、さらにそこにメンディエタ!

 

強烈なシュートは上に外れた。

ゴール前へ折り返していればルイス・エンリケもモリエンテスもフリーで詰められる場所にいたが…。
もったいない絶好機だった。

 

韓国もFKを得るがこれはゴールならず。

延長前半もスコアレスのまま終わった。

 

延長後半に入ると、今度は韓国が反撃。

イ・ウンジェのパントキックがペナルティアーク付近まで飛び、おさめたファン・ソンホンがミドルを狙ったがカシージャスがセーブ。

直後にも、ロングカウンターからイ・チョンスが右サイドを疾走、折り返しからファン・ソンホンがボレーを叩くが、DFナダルがなんとかブロックした。

 

このままPK戦に突入か。

時計が120分を示す頃、スペインがCKを獲得した。

 

これがラストプレーになりそうだ。

と思いきや、ロスタイムなしで主審は笛を鳴らす。
ホアキンやイエロらが主審を囲んで抗議するが当然主審は受け流し、延長戦も0-0のまま終了となった。

 

延長前半も14分58秒でもう笛を吹いていたし、この主審は早くPK戦に移りたかったようだ。

俺からすれば、韓国対イタリアのモレノ主審よりこの日のエジプト人レフェリー ガンドゥール氏の方がよほど恣意的なジャッジをしているように思えた。

 

とにもかくにも、試合はPK戦に突入だ。

俺にとっても、ワールドカップでPK戦を見るのはこれが初めてとなる。
始まる前から心臓がバクバク鳴っている。

 

「テーハミングッ」のコールの中、両チームが円陣を組み、キッカーとGK以外の選手たちがハーフウェーラインに並ぶ。

 

先攻は韓国。

まずはファン・ソンホンが右へ思いっきり蹴る。
カシージャスも触れたが、強烈なシュートだっただけに弾ききれなかった。

 

スペインはキャプテンのイエロが落ち着いてど真ん中へ。

跳ね返ってきたボールを、GKイ・ウンジェを挑発するようにもう一度思いっきりゴールネットに蹴り込んだ。

 

2人目はパク・チソン。
中央と読んだカシージャスは動かなかったが、正攻法で右へ決めた。

 

スペインはバラハがペナルティスポットに向かう。

そのシーンだが、改めて見てみると、両チームの選手たちの佇まいから、勝負はこの時点である程度決していたのかなという気がする。

 

バラハは左へ、
続くソル・ギヒョンは右へ、
そしてシャビは右上のクロスバーすれすれに飛ばすハイスキルなキックでともに成功。

3人目を終えて3-3と、全員が成功した。

 

こうなると、4人目と5人目にかかるプレッシャーは増してくる。

韓国はアン・ジョンファン。
前の試合のヒーローがここで戦犯になる…というシナリオはよくあることだが、中央に蹴ったボールはカシージャスに当たりながら決まった。

カシージャスが早く動いてしまったのはもったいなかった。
我慢していれば脚に当たりそうなコースだっただけに…。

 

次はホアキン。
この試合が引き分けで終わっていれば、間違いなくマン・オブ・ザ・マッチになっているはずの選手だ。

その彼の右隅を狙ったキックは、待ってましたとばかりにイ・ウンジェがストップ。

ウオオオオオーーーー!!

スタジアムに大歓声が響いた。

 

こうなれば、もう試合は韓国のものだ。
5人目のホン・ミョンボが決めれば、スペインの5人目のキックを待たずにそこで決着となる。

ところで、大統領だっけこの人。

 

スタジアム中、いや、国中の期待とプレッシャーがキャプテンの背中に乗る。

それをものともせず、冷静に右上を狙ったキックが決まった。

 

PK戦は3-5で決着。

韓国が準決勝進出を決めた。

 

スタンドは入り乱れての歓声とハイタッチ。

ピッチでは韓国の選手たちが走り回っていた。

 

早々と引き上げるスペイン。
場内を一周する韓国。

当然、スタンドではほとんどの人が帰らずに待っていた。

 

そして、ピッチではスタッフを含めた大きな円陣。

彼らには、まだ2試合残っている。

 

最後に、ホーム側のサポーターに向け、選手たちがスライディング。

俺の率直な気持ちを言うと、羨ましくもあり、誤審のおかげで勝ったくせにという腹立たしい気持ちもあり、でも球際やゴール前のディフェンスなどでは韓国はめちゃくちゃ戦ってたもんねと認める気持ちもあり、いろいろと複雑だった。

 

選手たちが引き上げた後も、スタンドにいる人たちは、喜びつつも「信じられない」という表情だ。

ある意味、選手たち以上にこちらの方がこの結果に驚いていたのかもしれない。




 

席が2階だったこともあり、スタジアムを出る頃には各スタンドから出てきた観客でごった返していた。

光州駅行きのシャトルバス乗り場は近かったが、かなりの列の長さだった。

 

当然だが、周囲は興奮状態で喋っている韓国人ばかり。
黙っているのは俺だけなんじゃないかというくらい騒がしい状態だ。

よく見たら、その年代は10代から30代の人がほとんど。
韓国での試合は、韓国戦を除くと開幕戦と準決勝ぐらいしか入手困難なチケットはなかったので、この試合もラウンド16のイタリア戦が終わってから急遽インターネット購入した人が多かったのかもしれない。

土曜のデーマッチだったのでソウル近郊に住んでいる人も日帰りできるだろう。

 

列は長かったが相当な数のバスが用意されていたので、その都度大勢の観客がバスに飲み込まれ、列の進みは早かった。

バスに乗ると、イタリア戦の試合後のように周辺の道路がクラクションまみれになるほどではなかった。
そのあたりは、大田より光州の人たちの方がおとなしいのかもしれない。
あるいは、イタリア戦の方が夜で飲酒する人の数や興奮度の高さが増していただけの違いか。

 

バスに揺られながら、次の試合のことを考える。

ソウルでの準決勝は3日後だ。

ドイツ対韓国。
まさかこの対戦カードになるとは思わなかった。

ドイツはここまで6試合で1失点のみ。
茨城でのアイルランド戦の終了間際にロビー・キーンに決められた以外は全試合完封だ。

そのドイツの強さをアイルランド戦で目の当たりにしていた俺にとっては、いくら勢いのある韓国といえどドイツに勝つのはさすがに無理だと思わざるを得なかった。

あのチームはちょっとレベルが違う。
イタリアやスペインと比べても、脆さやスキがほとんどないのだから。

 

つまり、俺が韓国で観戦する4試合のうち、3試合目となる次の準決勝はドイツ対韓国だし、4試合目の3位決定戦は多分トルコorセネガル対韓国になる。

せっかくワールドカップの決勝トーナメント連続観戦を楽しみにしていたのに、
まさか4試合全部韓国の試合になるとは想定していなかった。

 

これじゃあ韓国のTSTじゃねぇかよ、俺が買ったチケットは。

まあいいけどさ。

 

そんなことを考えている間に、バスは光州駅の近くに着いた。

繁華街に近くなると、さすがに騒いでいる若者の姿が目に入ってくる。

土曜日の19時半だ。
目一杯楽しむには最高のタイミングだろう。

 

このあとには準々決勝最後の一戦、セネガル対トルコの試合が20:30からあるので、その前に夕飯を食べる。

韓国料理の食堂ばかり行って飽きてきたので、たまには10代の少年らしくファストフードの店に行った。

サッカーの試合に行った後って、無性にラーメン屋かマックに行きたくなる時はないだろうか。
この時はマックでもロッテリアでもないよくわからない店だったと思うが、2階席の窓際に座り、細長いプルコギバーガーみたいなのを食べたら思いのほかおいしかった。

「プルコギ」ぐらいなら俺でもハングルを読めるので、想像がつきやすかったのも助かった。

疲れを光州の街の景色に溶かすようのんびり食べたり飲んだりしてたら、宿に帰った頃にはもうテレビ中継は始まっていた。

 

初日にも書いたように、トルコも俺の好きなチームだった。

だが、彼らはグループリーグを韓国で、決勝トーナメントを日本で戦うという、俺とすれ違いの旅程だった。
トルコの試合をこのワールドカップで見るなら、3位決定戦に回ってもらうしかない。

それには準決勝進出を決めてもらう必要があるので、セネガルも個性豊かで面白いチームだったが俺はトルコを応援しながらテレビを見ていた。

 

試合は0-0で延長に突入し、途中出場のイルハン・マンスズがゴールデンゴール!

日本での準決勝は、グループCの再戦、ブラジル対トルコとなった。

 

ワールドカップは、ここからまた日曜・月曜と休息日に入る。

準決勝は火曜にソウルで、水曜に埼玉で行われる。
そして、土曜に大邱(大邱)で3位決定戦、日曜に横浜で決勝とクライマックスへ向かっていく。

 

光州の街は、普段は穏やかな空気が漂っているが、今夜は賑やかだ。

ここで過ごすのは3泊だったが、早くもこれが最後の夜。
明日の昼にはこの街を離れ、もう少し先の港町に立ち寄るつもりだ。

ワールドカップがなければ訪れるはずのない土地。
試合のない日にそうした場所と巡り合えるのも、毎日試合があるわけではない決勝トーナメントの旅ならではの楽しみだ。

 

<前回の6月19-21日分は コチラ

<次回の6月23-24日分は コチラ

 

 20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』
目次はコチラ!

【目次】20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』

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(この情報は2002年6月時点のもので
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