【観に行ってきました】ACL決勝第2戦レポート/熱狂の埼スタで浦和レッズがアジア制覇!テーブルシート初体験の感想も

浦和レッズサポーターの皆さん、アジア制覇おめでとうございます!

11月25日(土)に行われた、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦 浦和レッズvsアルヒラル。

前週に敵地・サウジアラビアで行われた第1戦を1-1で凌いだレッズが、ホームでの第2戦を1-0で競り勝ち、2戦合計スコア2-1で見事に優勝を果たしました。


チケット争奪戦も1ヶ月前から熾烈を極めたこの決戦。

満員の埼玉スタジアムの中で勝利したレッズにとって、ACL優勝は10年ぶりとなり、日本勢全体で見ても2008年のガンバ大阪以来9年ぶりの快挙となりました。
そして、日本のクラブでACLを2度制したのはレッズが初めてとなります。

今日は、その緊張感みなぎる決勝戦の模様をお伝えします!

 

また、この試合は私にとって初めてメインアッパースタンドの「テーブルシート」を利用する機会となりました。

レッズの試合でも日本代表の試合でも、私が埼スタで試合を観る時はいつもだいたいバックロアーなので、逆側、そして普段より高い位置からの観戦は新鮮な経験にもなりました^-^

その席からの視界や実際に利用して感じた率直な使い心地もこの記事の後半でご紹介していきますので、今後埼スタでのサッカー観戦を予定されている方も、ぜひご覧ください

 

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試合前の展望

11月18日にアウェイで行われた第1戦では、6万人のアウェイの中で、開始早々にラファエル・シルバが貴重なアウェイゴールをマーク。

その後は左サイドバック・宇賀神の背後のスペースを狙われるなど多くのピンチに見舞われたものの1失点でしのぎ、実質浦和の0.5点リードとも言うべき「1-1」のスコアで1試合目を終えました。

これで第2戦は、勝利する以外にも、『アウェイゴールルールによって0-0で引き分けても優勝』という状況に持ち込んだわけです。

その試合をテレビで観ていた流れでは、アルヒラルは選手個々の足元の技術が高く連携も速く、戦前の想像以上に強いなと感じました。

浦和が後半によくアジャストして耐えきった内容に見えましたが、第2戦は前半で失点すると一気に厳しい展開に形勢逆転しそうに感じたため、『いかに後半25分まで無失点で耐えるか』がポイントになると考えました。


第1戦でも後半途中からアルヒラルの攻撃は淡泊になりイラつく選手も出てきましたし、民族的にも日本人とアラブ人を比べれば日本人の方が我慢強いでしょうから、

後半の半ばまで0-0のまま引っ張っていけばアルヒラルの方からバランス(攻守のバランスしかり、メンタルのバランスしかり)を崩してくれるのでは、と読んだわけです。

そんな風に、第1戦の終了直後にツイッターでツイートした内容が↓コチラ。


twitter.com

0-0のまま引っ張れば、アルヒラルの方から我慢できなくなってラフプレーで退場者を出すのでは。

そのまま0-0で終えても、突き放して1-0になっても、浦和が優勝するならこうした展開ではないかと踏んだのです。




 

「11.25」埼スタ決戦の模様

昨季のチャンピオンシップ決勝の「重苦しさ」は無かった

この時期の浦和というと、どうしても思い出してしまうのが昨年のJリーグチャンピオンシップ決勝第2戦。

年間順位1位で決勝にシードされた浦和は、川崎に勝って勝ち上がった鹿島に対しアウェイの第1戦を1-0で制し、さらに第2戦も先制しながら、その後2失点を喫し、合計スコア2-2、アウェイゴール差で鹿島に優勝をさらわれたのです。


あの試合は、スタジアム中に「ここで負けたら今まで積み上げてきたものが無くなってしまう」という重苦しさを感じました。

その前の2シーズンもあと少しのところでリーグ優勝を逃していたがゆえに、タイトルへの想いがどのクラブよりも強かったがゆえに、どことなく『厳粛すぎる空気』になってしまっていたように思えたのです。


しかし、11月25日の埼スタには、どこか「少しの余裕」が感じられました。

それが、アウェイ1-1という同じシチュエーションで第2戦を迎えて栄光を掴んだ10年前の成功体験によるものなのか、
あるいは今季ACLのホームゲームでは全勝という結果に裏打ちされたサポーターの自信によるものなのかはわかりませんが、
私には『張りつめ過ぎない程度にピンと伸びた、成功するチームがよく感じさせる適度な緊張感』に思えました。


どんな内容でも、最高の仕事をするには「5%くらいの心の余裕」が大切なものです。

会社員で言えば、仕事前にコーヒーを飲んだりフリスクを1粒口に入れるくらいの少しの余裕、と言うとちょうど良いでしょうか。

当事者であるレッズサポーターの方々にはそうは見えなかったかもしれませんが、この日の埼スタには、成功の予感が漂っていました。

前半を0-0で終わらせた、長澤の「1得点分の活躍」

クラブのエンブレムとACLのトロフィー、そして栄光の再来を期す2つの星と「2007」「2017」の文字で飾られた荘厳なコレオグラフィーに包まれ、アジアの頂上決戦が始まりました。


浦和は高さのあるDFマウリシオをベンチスタートにし、サイドを深く上下できる宇賀神を行けるところまで引っ張って相手を牽制するスタンス。

開始30秒にいきなり高い位置で長澤がボールを奪いフィニッシュに持ち込むなど期待感は見せつつも、徐々にアルヒラルの卓越したキープ力とパスワークに手を焼くようになります。


最大のピンチは26分。

DFが揃っている中で、ミドルレンジ中央を29番MFダウサリに鮮やかなダブルタッチで切り裂かれ強烈なシュートを浴びます。

これは数十センチ上に外れましたが、このスーパーな突破でアウェイゴールを奪われていたら、まったく違う試合になっていたでしょう。
それくらい、アルヒラルの選手たちは非常に上手かったです。

膝の下にもう1つ関節があって足が伸びてくる…そんな印象でした。


Jリーグでは、あれほどボールキープやパスワークの優れたチームの試合は観られませんし、(重複するメンバーもいるので単純には比べられませんが)1年前に同じ埼スタで観たサウジアラビア代表よりもハイレベルなのではないかとさえ感じました。


そうした相手の攻撃ムードを何度も断ち切ったのが、日本代表にも選出されたMF長澤。

体を張ったキープや素晴らしいルーズボール奪取で再三相手のファウルを誘発し、アルヒラルの波状攻撃を減らすとともに浦和に落ち着きと与え、なおかつアクチュアルプレーイングタイム(ボールが動く実質的なプレー時間。つまりリードしているチームにとっては短くするほど逃げ切りやすくなる)を削減するという貴重な役割を果たしました。


私は常々若い子たちに言っているのです。
「自陣でファウルを5回受けることは、1ゴール決めるのと同じくらい重要なプレーだ」と。


そうすることで、相手の攻撃回数は減り、相手選手はロングキックに備え50~60mの距離を戻らねばならず、再び攻めるにはまた70mくらい走る必要が生じます。

つまり、相手の流れを切ることができ、時間を稼いで自軍の陣形をリセットでき、相手のムダ走りも増やせるというわけです。

この日、なかなかセカンドボールを拾えなかった浦和にとって、自陣に釘付けになりそうな局面でファウルを受けてことごとく試合を切ってくれた長澤の殊勲は、1得点分に値する価値があったのではないでしょうか。




 

消耗戦となった後半。消えずに試合を握り続けた柏木と青木、胸を熱くさせたラファエル・シルバ弾。

0-0のままなら優勝、失点したら致命傷。

そんな状況で進んだ後半は、両チーム前半から飛ばし過ぎたのが響き、バテバテの選手が増えてプレー精度が落ちる消耗戦となります。

特に武藤は、攻撃の選手ながら自陣のかなり深い位置まで守備に走り、いつか倒れるんじゃないか?と思うくらいの消耗ぶりでしたが、見事に90分間やり切りましたね。


後半途中でアルヒラルのエース・77番ハルビンが負傷交代すると多少迫力が落ちたものの、浦和にとってはセカンドボールを拾えず押し込まれる難しい展開が続きます。


そこで存在感を発揮したのが、二人のMF。

まず柏木は、スペースと仲間の位置を見極めて「相手が嫌な位置まで走って戻らざるを得ないパス」を供給するだけでなく、お世辞にも速いとはいえない脚力ながら懸命に速攻に走り、セットプレーでもナイスボールを繰り出しました。


思えば、昨季のCS第2戦での柏木は、どこかふわふわした立ち位置に終始し、前半には『リードしてるんだから行く必要のないところ』で無駄な全力チェイシングをかけたり、反撃しなければいけない後半でパスが停滞したりと、試合にフィットしきれませんでした。

しかし、1年経ったこの試合では、守勢の時間が長くても陣形を綺麗に保ち続け、味方がファウルを受けた際にすぐリスタートするモーションをして相手を揺さぶったりと、「ボールを持っていない時も、試合全体を中心で握っている」姿を見せてくれました。

タイプは違いますが、ガンバ大阪の遠藤や川崎フロンターレの中村憲剛など、こうした『本当の意味で試合を支配できる選手』に柏木がなってくれたら…、それは非常に楽しみなことだなと感じています。

もともと輝かしい才能を持っている選手なのですから。

もう一人の「影の殊勲者」は、MF青木。

もともと攻守の割合が3:7くらいの選手ですが、大柄な選手が少ない浦和にとって、フィジカル面で強く、ピッチを俯瞰したようなポジショニングをとれる青木のような職人がいたことで、アルヒラルのハイレベルな攻撃を遮断できたのだと思います。

特に、DFラインの前のスペースをアルヒラルが執拗に狙ってきたのもあり、このエリアはタフなフィジカルバトルが多く見応え十分でした。

この日は攻撃時においても、近い距離にいる柏木にうまく配慮しながら、自分は「いつでも仲間を助けに行ける位置」を巡回。

そして、ピンチになりかけたら危険なゾーンを埋め、相手の侵攻を再三防ぎました。

完封さえすれば優勝という状況は、普段はあまり目立たない青木のスキルを際立たせる環境だったと言えるでしょう。


ミドルサードでボールを奪われても決定的な速攻を浴びる場面が減少したのは、こうした『守備職人による救助体制』を構築できていた証ではないかと感じました。

(そのあたりは、現役時代に似たようなタイプの選手としてウーベ・バインや広瀬治といった名手と組んでいた堀監督によってさらに磨かれたものなのかもしれません。)

そうして、押されてはいるが精神的にはわずかな優位性を保っていた浦和は、私の予想通りに(ココ重要ですよ!笑)アルヒラルのMFダウサリがキレて遠藤にアツいアフターチャージを見舞って退場したことによって数的優位も獲得。

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そして、前がかりに行かざるを得ない相手の背後を突き、後半43分にラファエル・シルバが閃光のようなスピードショットを叩き込みました!


第1戦で負傷し、さらに相手ファンらしき者たちからSNSに差別的な書き込みを相次いで書かれたのに「俺は黒人であることに完璧な誇りを持っている。そんな低レベルな内容で俺を止めることはできないよ」と宣言し、第2戦ではその言葉通りに浦和をアジア王座に導く決勝ゴールを決める―。

ラファエル・シルバ、道徳の教科書にしてほしいくらいの素晴らしい雄姿でした。


そして、表彰式で「10年前のアジア制覇を知るキャプテン」阿部がカップを掲げた瞬間が、この日のクライマックスとなりました。

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結果が出ない時こそ率先して矢面に立ち、決してチームやサポーターをバラバラにさせない男。

何度ケズられても、準々決勝・川崎戦のように絶望的なリードを奪われても、挙句の果てには相手の補欠選手から殴られるようなことがあっても取り乱すことなくチームを引っ張り続けたその姿が、頭上のカップとともに埼スタの中央で輝いていました。




 

テーブルシートを使ってみた感想

今回はまとまった人数での観戦ということで、メインアッパー中央の記者席の上に位置する「テーブルシート」をチョイス。

通常の指定席では1購入4枚までという制限があったので、6枚1組で販売されるテーブルシートがちょうど良かったんですよね。単価も4,000円ちょっとでしたし。

今までここで観たことはなかったので、その体験も楽しみにしてスタジアムに向かいました!

この記事のトップ写真などもこの位置から撮ったものですが、下の写真のように、試合中は残念ながら前の人の頭が視界に入ります。

加えて、この試合が決勝だからだったのか、普段からそうなのかはわかりませんが、通路に集音マイクが設置され、アルヒラルベンチ付近の視野の一角を妨げる格好となりました。

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それを除けば、全体的に視点・視界は良好で非常に試合を観やすかったです!

イメージで言うと、「胸元でA4横サイズのファイルを持った時の感じ」が視点とピッチの位置関係に近いかと思います。

また、足元の余裕は通常の席と大差ありませんが、左右の席間は非常に広くなっています

今回のような大観衆の試合では、顔を近づけないと隣席との会話が聞こえないくらいだったので、それくらい席間のゆとりがあるとお感じいただければと思います(^^;

 

そして、テーブルがあることで、デジカメ・スマホ・お菓子・飲み物を机に置いた状態で観戦できます。
これは、想像していた以上に便利でした!

いちいちカバンを開けたりドリンクホルダーに差し込んだりする必要がないので、非常に楽でしたね^^

もちろん、選手入場時のコレオも、表彰式やウイニングランなどの場面も非常によく見えました!

選手のぶつかり合いなど臨場感はロアースタンドの方が優れていることは言うまでもありませんが、今後埼スタで観戦する機会がある方は、テーブルシートも選択肢に入れてみると良いと思いますよ。




 

まとめ:大きな、大きな価値のあるアジア制覇。12月のクラブワールドカップの情報も随時更新していきます!

以上、今回は浦和レッズがACL優勝を果たした11月25日の埼スタ決戦の模様とともに、テーブルシート初体験のレポートも含めてお伝えしてまいりました。

 

毎年2月半ばにスタートし、決勝まで7度のアウェイゲームをこなさなければいけないACLで優勝するのは並大抵のことではありません

過密日程、気候やピッチコンディション、相手のラフプレー、理不尽な罰金、不可解な判定…こうした度重なる出来事に見舞われてもリズムを崩さず勝ち切らなければいけないのですから。

国内20冠を達成しそうな鹿島アントラーズでさえACLではベスト4にも進出したことがないという事実も、この大会の難しさを物語っているでしょう。


そうした難関の連続を乗り越えた浦和レッズは、日本勢として初めて『自国開催ではないクラブワールドカップ』に出場します。

そのFIFAクラブワールドカップ(CWC)2017 UAE大会の情報も、12月の開催に合わせて以下の記事にて随時内容をアップデートしていきますので、ぜひ時折チェックしていただければと思っています!

 

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