DAY 2:6/1(土) アイルランドvsカメルーン(新潟)観戦記 ~20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』~

人生最初のワールドカップの旅は、早朝に始まった。

当時、新潟に行くには早朝の新幹線2本のうちどちらかに乗るという条件付きの「あさひ たび割7きっぷ」という爆安切符があり、これを使うと大宮⇔新潟の新幹線往復が通常2万円ほどのところ、往復で10,400円と半額になるという神アイテムだったのである

 

これは東北新幹線も同じで、早朝の「やまびこ」を使うと大宮⇔仙台市内が13,100円で済む。

いずれも学割で普通に買うよりずっと安いので、新潟や宮城へワールドカップ観戦に行く時は毎回この切符を買ったのだった。

今は「とき」の名称に統一されているが、当時は通過駅のある速達タイプの上越新幹線は「あさひ」、各駅停車タイプが「とき」だった。

 

そして、6月1日朝、社会人である浦和の仲間のNさんと大宮駅の新幹線改札で集合し、朝2本目、7時前の「あさひ」に乗った。

 

新幹線の車内は既に緑色のユニフォームでいっぱい。
久しぶりのワールドカップ出場に駆け付けたアイルランドのサポーターたちだ。
大量のサポーターといえば日本ではイングランドが真っ先に報道されていたが、海外サッカーをよく見ていた人ならわかる通り、アイルランドのサポーターだって負けてはいない。
次のドイツ戦はカシマ、その次のサウジアラビア戦は横浜だから、東京を拠点にして各地へ日帰り観戦する人が多いのだろう。

 

朝早かったので長岡あたりまで寝て、Nさんもまだ寝ていたので、新潟県らしい田園風景を見ながらMDのスイッチを入れる。
日本でもこの頃大ヒットしていたLINKIN PARKの『Hybrid Theory』。
特に8曲目の「In The End」という曲がべらぼうにカッコよくて、この日も聴いた。
よく考えたら日本での初戦の朝にイン・ジ・エンドというのも変な話だが、ともかくこの時点で俺のテンションは静かにブチ上がっていた。

 

終点の新潟が近づき、Nさんが起きる。
車窓右手には鳥屋野潟とビッグスワンの姿。
ゆっくりとブレーキがかかり、「あさひ」が新潟駅へと滑り込んだ。




 

列車を下りると、そこはのっけから日本とは思えない光景!

 

ここ、俺の知ってる新潟じゃない!

 

試合は15:30キックオフだけど新潟着は8時過ぎだったので、とりあえず駅の近くで朝食をとり、あたりのベンチで仮眠。
※高校時代からよく野宿とかしていたのでそのへんは抵抗なかったしNさんもよく付き合ってくれていた。社会人なのに。

 

12時頃になって「そろそろ行くか」ということになり、晴天でもあったのでシャトルバスは使わず歩いてビッグスワンへ行くことにした。

 

新潟駅から南下する大通り。

緑色のユニフォームを纏ったアイルランドサポーターの大群の中を歩く。

 

缶ビールを片手に歩く者、道端に座って飲んでいる者、歌う者、まさに「これがワールドカップだ」という雰囲気。

それが既視感のある新潟の街並みの中で湧き上がっていたのが、楽しくも不思議な感覚だった。

 

ビッグスワンの敷地が近づく。

スタジアムの入場口はまだ先のはずだが、観戦チケットを持った者しかここから先には入れない。

 

 

ゲートを通ると、そこにはさらに多くのアイルランド人が!

キックオフまでまだ2時間以上あり、飲む・歌う・騒ぐのオンパレードだ。
なお、カメルーンの人はなかなか見つけられない。

 

適当に食べながらゆっくり過ごし、まだウォーミングアップまで時間があるが、スタジアムに入ることにした。

今日のチケットは国内販売分の電話予約で取った、カテゴリー1バックスタンドの1階席だ。

 

視界にあふれる、見たことのない幕の数々!

これが、これが俺の行きたかったワールドカップなんだ!

 

アイルランドの選手たちがウォーミングアップを開始。

スタンドに揃ったサポーターはまだ多くなく、多数はまだ外で飲んでいるが、ボルテージは着実に上がってきた。

 

15時を過ぎ、選手紹介が近づく。

その前に、今回のワールドカップで初めて知る企業のCMが多数流れる。
もちろん英語。

こういうところにもワールドカップを感じさせる要素があるのだなと実感する。

 

アイルランドの背番号3、俺のアイドルである左サイドバックのイアン・ハートはもちろんスタメン。

こちら側でコーナーキックがありますように。

 

日本語に続き英語のアナウンスが入るのはレアル対ボカやバイエルン対ボカを国立で観戦したトヨタカップのようだった。




 

さあ、いよいよ。

15:30のキックオフを前に、両チームの選手が入場。

 

これだ!

これがワールドカップだ!

 

「ドーハの悲劇」で日本代表が出場を逃した1994年のアメリカ大会をテレビで見た小学生の頃から描いていた夢が、一つ叶った瞬間だった。

 

ひとつ一つのプレーに、歓声や拍手が響き渡る。
そこに加わる「アイルランッ!」のコールや「Come On You Boys In Green」のチャントたち。

ワールドカップ予選も全試合手軽に視聴できる今とは違い、オランダ戦など限られた試合でしか映像で見ることができなかったアイルランド代表の試合でスタジアムを揺らしていた声たちがそこにはあった。

 

このグループEは、前評判ではドイツが頭抜けており、次いでアイルランドとカメルーンが同等の力量、そしてサウジアラビアからは各チーム勝ち点3を取っておきたい、というのが大方の見方だった。
つまりこの試合は、初戦にして決勝トーナメント進出を左右する直接対決でもあった。

双方ともその重みを理解しているような、序盤から拮抗した試合だった。

 

絶対的な精神的支柱だったロイ・キーンを衝突によりメンバーから外したミック・マッカーシー監督は、中盤にイプスウィッチ・タウンでプレーするマット・ホランドを起用。
今はイングランドの3部に相当するリーグ1を戦っているイプスウィッチだが、当時はマーカス・スチュワートという点取り屋を擁し、プレミアリーグ昇格直後の2000/01シーズンにはリヴァプール、リーズに次ぐ5位と大健闘していたチームだった。

そこの中心選手の一人だったホランドは、派手さはないものの献身性と丁寧なゲームメイクでロビー・キーンやブレイク前のダミアン・ダフらが前線で走り回るチームを支えていた。

 

GKにシェイ・ギヴン、センターバックにギャリー・ブリーンを擁する守備陣は、W杯予選でも押し込まれる時間の長かったオランダ戦やポルトガル戦、プレーオフのイラン戦を乗り切っており、耐久性は証明済み。

2失点も3失点もすることはなさそうなので、アイルランドの突破は「いかに中盤から前線へ決定機を多く作れるか」だった。
その点においても、ホランドがキープレーヤーになるだろうなと感じる前半の展開だった。

 

前半30分頃、アイルランドの攻撃から待望のコーナーキックが生まれる。

キッカーはもちろん、イアン・ハート。
世界一好きな選手と言っても過言ではない彼が、世界屈指の左足キックの威力・精度を持つ彼が、俺の目の前に歩いてきた。

 

テレビで何度もみた、助走からグッと踏み込んでカーブをかけるキックの弾道。

この軌跡を、一生忘れることはないだろう。

 

あいにくこのキックは得点には繋がらず、逆にその後、前半39分にカメルーンがエトーのパスからエムボマが決めて先制した。

あまり多くはないが、左手のゴール裏やメインスタンドにも一部カメルーンサポーターがおり、ゴール後は踊りのリズム?がビッグスワンに響き渡る。

 

ほどなくして0-1で前半終了。

 

周囲のアイルランド人たちも一斉に立ち上がってトイレとビール調達のためコンコースへと向かっていった。




 

暑さがやわらいできた後半は、アイルランドがより攻勢に出てカメルーンがカウンターを狙う展開になるだろう。
アイルランドにはいざとなれば身長193cmのベテランFWナイアル・クインを投入してパワープレー、というオプションがあるので終盤までリードされていても追いつく可能性はあるが、できればその前に同点にしておきたい。

そんな分に考えをよぎらせていた後半7分、こぼれ球に反応したホランドがミドルレンジから右足を強振!
次の瞬間、強烈なミドルシュートが向こうのゴールに突き刺さった。

 

一瞬間があってから地鳴りのように轟く、

「ィイェエエエエエエエーーーッ!!」

の叫び。

 

ゴール裏だけでなく、俺の近くのバックスタンドや向こう側のメインスタンドからも。

イングランドもそうだが、英語圏のチームはやはりこの声が一番の醍醐味であり魅力だ。
その実感を心底味わった。

 

逆転を狙い畳みかけるアイルランドだったが、闘志あふれる名DFソングを中心としたカメルーンから追加点は奪えず。

 

日本でのワールドカップ開幕戦は、両チームにとって納得のいく1-1のドローとなった。

決勝トーナメント進出争いは、ドイツから勝ち点を取れるか、そしてサウジからどれだけ得失点差を稼げるかによって決まることになるだろう。

 

試合後は、さすがに疲れたのでシャトルバスで新潟駅へ向かう。

その途中、鳥屋野潟をバックにボールを蹴るアイルランド人の姿がたくさんあった。
あれだけビールを飲み、あれだけ試合中も歌って叫んでいたのにまだまだサッカーをする元気がある。
俺も見習わなければ。

 

緑色の大群は、もちろん新潟市街に泊まった人も多いだろうが、かなりの人数が上越新幹線の乗り場へ向かっていった。

ほとんどの人は日帰りで東京方面へ戻り、他の試合を観戦したり東京観光をしてから4日後のドイツ戦に向けて鹿島へ行くのだろう。

 

品薄になっていた駅弁を買い、緑色の大男たちで満杯になった「あさひ」に乗り込む。

車内販売のビールは果たして足りるだろうか。
そんなことを思いながら、早起きと興奮と疲れと満腹感によって重くなってきた瞼を閉じた。

大宮で寝過ごさないように気を付けよう。

 

明日はワールドカップ序盤戦のハイライト。

俺の住む街・浦和でイングランドとスウェーデンが「死の組」グループF突破を懸けて激突する。

 

 

<前回の5月31日分は コチラ

<次回の6月2日分は コチラ >

 

 20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』
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