DAY 4:6/3(月) イタリアvsエクアドル(札幌)観戦記 ~20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』~

この日のワールドカップ観戦は1泊旅行だ。

試合は20:30キックオフのイタリア対エクアドル。
大学1年生だったので月曜日は必修科目が盛りだくさんだったが、札幌に1泊する用の荷物を持って2限だけ出て、昼にはそのまま羽田空港へ。

当時はJAL・ANAに次ぐ3番手の航空会社だった日本エアシステムの飛行機で新千歳空港へ飛んだ。

 

大手2社と違い経営があまりうまくいっていなかったJASは、2ヶ月前に予約すれば長距離路線も片道1万円で済む航空券があり、2001年からアウェイ遠征でこれを頻繁に利用。
この日の札幌行きも4月3日の午前に速攻で電話予約したものだった。

ワールドカップ観戦旅行ではこの札幌往復と翌週の大分での試合でこの割引切符を使い往復2万円で済ませることができた。

 

 

5月31日の記事にも書いたが、エクアドルの3試合はいずれもTST-3のカテゴリー3、それを4枚確保していた。

俺とNさん、そしてエクアドルの試合に関してはうちの両親の2枚も含めて、だ。

 

前述のように、父は「正しいことしかしない人間」であり、浦和のゴール裏の中心で活動していく中で「目的のためなら正しいことが全てとは限らない。むしろそこをはみ出したモノにこそ強烈なメッセージを込められる」という考え方をするようになった俺とは意見が合わなかった。

現に、2,000円しかないのにアウェイの室蘭に行ったり、月曜に高校をサボって往復50時間かけて列車で大分に行ったりと、今思えばたしかに模範的な高校生とはかけ離れていたのでそれも無理はないが、まあ俺にとっては家での居心地の良い状況ではなかった。

父は父で、「また悪い大人とつるんでるんだろう」と思っていたし、
俺は俺で、「うちの父に何を言ったってどうせわからない」と思っていた。

心のどこかで「ずっとこのままでは良くない」という気持ちはあった。
だが、そもそも父と話す場面自体が全然ないので、そのきっかけがないまま過ごしていた。

 

そこで転機となったのがワールドカップだ。

2002年の6月は、両親にとって結婚25年となる月だった。

しかも、昔新婚旅行で行ったのは函館と札幌と小樽というルートだったと聞いている。
それもあって、札幌ドームでの試合も1つあるエクアドルのTSTを、自分とNさんの分のほかに両親の分も含めて4枚申し込んだのだった。

エクアドルならカテ3でも2枚だろうが4枚だろうが当たるだろうと思っていたら、その通り当選。

それを両親に伝えて、「北海道行ってきなよ」と言っておいた。

 

エクアドルの3試合のうち、初戦のイタリア戦は札幌で月曜夜の試合だが、次のメキシコ戦は日曜日の昼に宮城で、最後のクロアチア戦は平日夜に横浜でやる試合だったので、仕事を休むのもイタリア戦のところだけで済む。

かくして、俺の旅程とは別に両親は別のスケジュールで札幌と小樽へ旅行することになったのである。




 

当日の話に戻ろう。

昼休みでキャンパスを離れ、羽田空港に着くと、月・火と休暇を取ったN藤さんと今日も合流。

不良大学生と不良社会人のコンビで今日も旅をしていく。

 

14時頃発だったか、午後のJASで千歳に向かう。

前々日・前日は日帰り観戦とはいえかなり夢中になって過ごしていたので、さすがに疲れが抜けない。
フライト中は二人ともほとんどの時間で寝ていた。

 

夕方前に千歳、そして札幌に到着。

本当はせっかくの北海道旅行なのでしっかり札幌観光をすべきなのだろうが、半年前にアウェイの札幌戦で来たばかりだったので、安いビジネスホテルにチェックインし、
天気が良ければ大通公園付近を散歩してスカーッとしたかったのだが、あいにくの雨模様だったのでドトールでコーヒー飲みながら窓の外の街を眺めてリフレッシュをした。

 

キックオフは20:30だったが、札幌ドームのある福住駅までの地下鉄が混むのも難なので18時過ぎには地下鉄に乗る。

北に位置する北海道だけあり、夏至に近いこの時期は札幌ドームの周辺もまだまだ明るい。

 

 

 

 

この日のチケットはエクアドルTST-3のカテゴリー3なので、指定された席はアウェイ側のゴール裏。
半年前の札幌戦で来た時とまったく同じ動線をたどって中に入る。

土日だった過去2試合と違い、平日のこの日は客入りがまだ多くない。

 

エクアドルのサポーターはゴール裏のメインスタンド寄り約半分に固められており、キックオフまで1時間半くらいあるが既にガヤガヤしている。
俺の隣の席はマルセロという青年で、エクアドル国籍だがアメリカに住んでいるらしい。

一方、向こうのイタリア側ゴール裏は人がまばらで、あまり多くイタリア人が来ている様子はなかった。

(ブレブレですいません)

 

ウォーミングアップの前に、監督・スタッフがピッチ状態の視察を兼ねてフィールドに姿を現す。

エクアドルサポーターからは大歓声。

「ボッリージョォオオオオオーー!!」
と叫ぶ者も多数。

監督も手を振って応える。

 

ボリージョというのは、エルナン・ダリオ・ゴメス監督の愛称。
エクアドル代表を初のワールドカップ本大会出場に導いた彼は、ある意味選手たち以上に英雄として愛され、支持されていた。

南米の弱小国(少なくともこれ以前はエクアドルはこちら側だった)にとってワールドカップとは、ブラジルやアルゼンチンのほかにウルグアイ・コロンビア・パラグアイ・チリらを倒さなければ到達できない舞台。
4年前に初めてW杯に出た日本よりもさらに高いハードルに毎回毎回屈していたことを考えると、本大会出場というのがエクアドル国民にとってどれほどの快挙だったか、想像するに余りある。

 

ウィーミングアップでエクアドルの選手たちが入ってくると、さらに大歓声。
ボリージョへの声が「温かい」ものだとすれば、選手たちへの声は「熱い」ものだ。

そしてすぐさま、エクアドルの南米予選突破を後押しした象徴的な言葉、

「Sí Se Puede! Sí Se Puede!」

の大コール。

 

「俺たちはできる」。

初めてのワールドカップに、そしてヨーロッパを代表するスター軍団であるイタリアに挑むこの場面で、これほど勇気を与える言葉はない。




 

イタリア代表がウォーミングアップに入ってきたときには、日本人からも大きな歓声。
黄色い声もあり、やっぱりイタリアは女性人気が高いんだなと感じた。

当時日本で女性からの人気が高かったのは、ベッカムを擁するイングランド、そしてトッティやネスタ、ザンブロッタ、マルディーニなど錚々たるイケメンたちが集うイタリアだった。

ブラジルももちろん人気があったが、ロナウド・リバウド・ロナウジーニョといったスター選手たちはルックスより実力という感じのタイプだったので、女性人気はそうでもなかったと記憶している。

 

キックオフが近づくにつれていつの間にかスタンドは埋まってきたが、新潟や埼玉での試合より空席は意外とあった。

札幌ドームは座席が濃色なので空席が目立つというのもあるかもしれない。

 

選手入場。

このシーンを味わうのは3回目だが、やはりこの空気は最高だ。

 

エクアドルサポーターは個々が持ってきた国旗をピッチに向かって掲げる振り、掲げる。

全員持ってきてるんじゃないかというくらい、みんな国旗を持っていた。

 

イタリア側は、やはりそんなに多くサポーターが来ていないようだ。

 

エクアドルには、スター選手はいない。

キープレーヤーは「運動量はないが一発のパスで試合を決める」古典的ゲームメーカーのベテラン10番アレックス・アギナガ。
また、前線に君臨する187cmの「ティン」ことアグスティン・デルガドはサウサンプトンで、爆発的な運動量を誇る右サイドバックのウリセス・デ・ラ・クルスはアストン・ヴィラの主力だが、他はほとんどが国内組だ。

 

そんなエクアドルが「セリエAオールスター」と言えるイタリア代表を相手にどこまで拮抗した試合にできるか。

そこが焦点となる試合がキックオフを迎えた。

 

だが、その目論見は早くも崩れる。

 

前半7分、パヌッチからのロングボールに俺らの目の前のゴールライン際で追いついたトッティがノールックでニア…と見せかけてその後方に折り返すと、そこに走り込んだヴィエリが豪快に先制弾を突き刺す。

その20分後にも、またもロングボールからヴィエリが重戦車のようにDFを吹っ飛ばして追加点。

これは衝撃だった。

なんだこれは。
こんなん止めようがないだろ。

 

テクニックのトッティとフィジカルのヴィエリ。
この2トップを止められるチームなんてあるのだろうか。
ましてデルピエロはベンチに温存中だぞ。

そんな圧倒的な前半だった。

 

後半開始に合わせ、エクアドルは運動量皆無のアギナガを下げ、カルロス・テノリオを投入。

周囲のエクアドル人のおっさんは、
「これからはテノリオの時代だ。奴は来るぞ」
と言っていた。

 

当時23歳だったそのFWは、4年後のドイツワールドカップでも2得点を決めて決勝トーナメント進出の原動力となった。
たしかにあのおっさんの言葉は当たっていた。

 

だがこの試合では、こちら側へ攻める形となった後半もエクアドルは突破口を開けない。

たしかにイタリアは、前夜見たイングランドを上回るのではと思うくらい豪華な布陣。
優勝候補だとわかってはいたが、崩れる気配が微塵もなかった。

 

GKはブッフォン、DFはパヌッチ・ネスタ・カンナバーロ・マルディーニ。
そりゃあ簡単に点を取れるはずがない。

その前にディビアッジョやザンブロッタ、トンマージのあたりでボールを取られるので、敵陣に攻め込むことさえままならなかった。

中盤のゲロンなんかボールロストしまくって
「ノー、ゲローン…」
とマルセロが頭を抱えるありさまだった。

 

2-0のまま試合が進み、イタリアはトッティに代えてデルピエロ、ディビアッジョに代えてガットゥーゾをピッチへ送る。
2点リードしているチームがやるとは思えない、いじめのような選手交代だ。

 

試合はそのままクローズ。

イタリアは余裕の勝利、エクアドルはやられにやられたがなんとか0-2という現実的なスコアで我慢したという試合だった。
これならまだ、メキシコやクロアチアに勝てればなんとかなる。

TSTなので今日近くで観戦した人たちとは残る2試合もきっと一緒だろう。

マルセロや周囲の人たちとハグを繰り返し、今日はここでお別れ。

 

 

試合後、泊まるホテルは別だが両親とも一緒にシャトルバスで札幌市街へ戻る。

両親は両親で楽しかったようだ。
中でも、エクアドルサポーターの熱気、イタリア代表のスピードと技術に驚いたそうだ。

「日曜のメキシコ戦は、もっと面白い試合になるよ」
そう言っておいた。

 

同じグループGでは、この日の15:30開始の試合でメキシコがクロアチアに1-0で勝利。
イタリアとメキシコが勝ち点3でリード、クロアチアとエクアドルが勝ち点0というスタートになった。

土曜にイタリアがクロアチアに勝つという前提で考えると(実際にはそうならなかったが)、エクアドルはメキシコに勝って望みを繋ぎたい。

一方、メキシコも最終節のイタリア戦の前に突破を決めておきたいだろう。

 

日曜日、宮城でのメキシコ戦はもっと激しい試合になるはずだ。

そう思いながら、バスを降りた。

 

<前回の6月2日分は コチラ

<次回の6月4日分は コチラ

 

 20周年記念 2002日韓ワールドカップ観戦記『魂の記憶』
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(この情報は2002年6月時点のもので
す。

 

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