6月4日。
この日は、観戦する試合はない。
札幌から帰って、午後の授業だけ出て、バイトして、という一日だ。
しかし、18時には埼スタでベルギー対日本の試合があったので、その一コマも含めて記しておこうと思う。
正直に言うと、浦和の選手がおらず(浦和の卒業生である小野伸二はいたが)鹿島の選手が多かったこの時の日本代表にはあまり愛着はなく、そこまで生で観たいとも思っていなかった。
だからチケット争奪戦に挑もうとも思わなかったし、むしろ6月にバイトできる日はこの日と6日の2回しかないのでここは率先してバイトを入れた。
13:10に始まる3限は必修だったので、12時頃には羽田空港に着いていたい。
そのため、帰路はNさんと一緒ではなく自由行動として10:30頃のJAS便を取っていた。
もちろん1万円で。
本当は小樽あたりをゆっくり歩いてみたい気持ちもあったが、そこまで時間はなかったので、札幌から朝の普通列車で小樽方面に向かい、途中のさびれた漁村みたいな所の無人駅で降りた。
少し散策したが、曇りで景色が良かったわけでもなく、すぐ切り上げて新千歳空港に向かった。
千歳へ向かう列車の中でなんとなく撮った、当時使っていたガラケーの写真。
P503iS。
カブトムシみたいなルックスの折りたたみケータイで、当時N503iSを使ってる人だらけだったドコモユーザーの中で「俺は違うぜ」と主張できる尖ったアイテムだった。
折りたたみモデルで初の背面ディスプレイ搭載モデル。
メールが来るとそこが光った。
かわいい女の子からメールが来ると嬉しい気持ちになり、そうでもない子から来たメールに関しては特になんとも思わなかったことを覚えている。
(歴代のガラケーを振り返るこんな記事もありました)
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1803/10/news014.html
12時頃に羽田に着き、キャンパスに向かって3限と4限だけ受ける。
いや、多分出席の紙だけ書いてほとんど寝てたと思う。
ワールドカップ観戦は睡眠時間の確保が命であると思い知った18歳の初夏。
4限が終わり、急いで浦和に帰る。
17時から浦和駅近くの飲食店でのバイトだ。
18時キックオフの埼スタでの試合を観戦する人はもう行っているので、電車の中にフットボール感はない。
17時から勤務開始。
今はどうかわからないが当時うちの店のキッチンはCDラジカセ(死語)をつけながら調理することが許されており、日本対ベルギーはキックオフのかなり前からラジオ中継があったのでなんとなくそれを聞きながら手を動かしていた。
余談だが、大学の英語のクラスに負けず劣らず、このバイト先も先輩から後輩まで仲が良かった。
いつも週4日くらい出ていたものの6月には全然働けないのでそこでクビになるかと思っていたが特に何も言われず、茶髪にしようがソフトモヒカンにしようがそれも何も言われず、その後も部活が忙しい時や他の高額単発バイトなどともやりくりしながら並行できたので、しまいにはお金を稼ぐためというより単純にみんなに会いたくて最終的に大学4年生の卒業直前まで続けたようなバイト先だった。
この日の店は、空いていた。
みんな家に帰ってテレビで試合を見ているのだろうか。
そんな中、後半にベルギーに先制を許した日本は鈴木のゴールで同点に。
絶叫のラジオ。
なんだ、鹿島の奴か。クソが。怪我しろ。
くらいにしか俺は思っていなかった。
(※ゴール裏を引退した今は仏の心を手に入れたのでこういう感情はありません。)
いろいろ手を動かしながらだったので試合の内容は今でもゴールシーン以外実はあまり知らないのだが、稲本が逆転ゴールを決めてその後ベルギーに追いつかれ、2-2の引き分けだったことは把握した。
20時を過ぎると、力など居酒屋で飲んでた人たちなのか、外でワイワイウェイウェイやってる人数が増えてきた。
一応警察も来ている。
20:30からは韓国対ポーランドのラジオ中継が始まった。
こちらも韓国が先制。
ポーランドちゃんとやれよおいと思いながらお客様のために心をこめて美味しい食べ物を作る。
21時半や22時になると、埼スタから帰ってきた人たちが加わったのかウェイウェイ族が増える。
警察も増員。
日本人しかいないからワールドカップっぽいかというとそうでもないが、なんかよくわからない状態になってきたぞ、浦和の街。
俺のバイトは22:30まで。
韓国が勝ったところでラジオを切り、先輩に挨拶して帰る。
店の外は、多分普段浦和のサポーターではないウェイウェイしてる酔っ払いたちと制止する警官、そしてサッカー関係なく普通に帰宅する迷惑そうな顔した人たち。
滑稽ではあるけれども、スタジアムの内側からワールドカップを味わってきたこれまでの3日間と異なり、スタジアムの外側でもワールドカップを感じられるというのもまた地元開催ならではなんだなと思った出来事だった。
ワールドカップの熱は、4日経って着実に日本国内に浸透しつつある。
思っていたのとはちょっと違った感じもするけれど。
ここからきっと、もっと面白くなってくる。
<前回の6月3日分は コチラ >
<次回の6月5日-6日分は コチラ >
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(この情報は2002年6月時点のものです。)
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