【乗車レポ】ロシア国鉄夜行列車 3等寝台でサンクトペテルブルクからモスクワまで乗ってみた!

お金をかけず・飛行機にも乗らずにマイルを量産する方法 でビジネスクラスを使って往復したロシアワールドカップ現地観戦旅行。

サンクトペテルブルクに到着した初日の夜にさっそく W杯準決勝 フランスvsベルギーをスタジアムで観戦 し、試合後には夜のサンクトペテルブルク中心部も散策

駅前のお店で空腹を満たし最低限の買い出しも済ませた後は、いよいよモスクワ行きの夜行列車に乗車します!

1等車は連結されておらず、2等車と3等車の2クラスで構成されたこの列車。

今回は、まともな方の2等寝台ではなくあえて3等寝台を選んだ理由から、実際の乗り心地・寝心地・清潔感や車窓など、乗らなきゃわからなかったその全容を写真とともにお届けしてまいります!

ロシアで夜行列車に乗ろうとお思いの方は多くないでしょうが、そうした方々の選択にお役立ていただければ嬉しいです^-^


【 この旅のバックナンバーはコチラ 】

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サンクトペテルブルク⇒モスクワの夜行列車は3等寝台で3,000円程度

サンクトペテルブルクとモスクワの間には、昼行も夜行も潤沢に列車が運行されています。

昼行列車は特急「サプサン」号が頻発。
所要3時間台で2都市を結んでいます。

空港と市街地のアクセスや搭乗手続きに時間を要すことを踏まえれば、飛行機以上に速達効果がある手段だと言えるでしょう。

 

夜行列車も、伝統的な「赤い矢」号を筆頭に複数の寝台列車が運行。

しかし、各列車のグレードや価格はピンキリで、必ずしも高い列車ばかりというわけではありません。

2018年のロシアワールドカップ期間中は事前予約制の無料列車が開催地間に設定されていましたが、私が利用した準決勝2試合の間を繋ぐ『7/11に日付が変わった後のサンクトペテルブルク発モスクワ行き』は満席続きでした。

 

そこで選択肢に浮上したのが、ロシア国鉄のサイトhttps://pass.rzd.ru/main-pass/public/enで予約できる有料の列車。

厳密に言えば私が選んだのは臨時列車だったのですが、これなら2等寝台と3等寝台を選ぶことができ、2等車なら6,000円程度、3等車なら(3,200円程度の料金に節約可能でした。

ロシア国鉄公式サイトで予約するとこのようにPDFでEチケットを出力できます。

 

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で、2等と3等でどのくらい違いがあるのか、予約サイトの座席選択画面と画像検索で調べていったところ(これが、いわゆるシベリア鉄道の区間以外ロシアの寝台列車の情報って少ないんです)、2等は4人部屋の個室。

となると、2等だと知らない人と相部屋になるというわけですね。

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一方、3等は開放寝台で枕木と並行に4人分のベッド+線路と並行に2人分のベッドが上下に並ぶという構造だということもわかりました。

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相部屋で見知らぬ人と旅を共にするのもそれはそれで旅の醍醐味なので良いんですが、今回の旅は日本時間の朝から羽田⇒関空⇒ヘルシンキ⇒サンクトペテルブルクと飛行機を乗り継いでからすぐに準決勝を観戦し、泊まらずそのままこの列車に乗る…というプランだったため、なるべくこの車中は集中して睡眠に充てたかったんです。

着いたらその夜にはまた準決勝2試合目の観戦が控えており、ここで寝られないとかなりしんどくなることが目に見えていましたから…。

 

また、予約サイトでは進行方向がわからないため、2等寝台を押さえても座った時にそれが進行方向かどうかはわかりませんが、3等の下段を予約しておけばあとは座り方次第で進行方法を向けるので3等の方が好都合だった、という理由もありました。

結果的にはこの選択が正解だったことになるのですが、そのあたりについては記事の後半で写真とともにお伝えしていきますね^^




サンクトペテルブルク モスコフスカヤ駅は夜中とは思えない賑わい

それでは、乗車当日のお話にまいりましょう!

 

深夜2時を回った頃、駅前で食事を終えてモスコフスキー駅の中に入ります。

テロ等の防止のためか、空港などと同様にX線での荷物検査があります。

 

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サンクトペテルブルクからフィンランドへ列車で向かった時 と同様ですね。


構内は、深夜とはいえ人がたくさん。

ギラギラした電照広告も多数あり、夜中の2時過ぎであることを忘れるような光景です。

 

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時間が遅かったので閉まっていましたが、サンクトペテルブルクを本拠地とするゼニトのオフィシャルショップもあります。

 

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私が乗るのは2:40のモスクワ行き。

1本前にあたる2:20発の無料列車は「MOSCOW FIFA」と書いてあり、それに乗る人たちがちょうどホームで列をなしていました。

 

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この時間帯の無料列車は早い段階で満席に。

1時頃の無料列車なら直前でも取れたのですが、準決勝だとPK戦までもつれる可能性もあるため、2時台の列車にしたかったんですよね(^^;


ヨーロッパの一般的な駅と同様、改札口という概念はなく、そのままホームに進みます。

 

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ちょうどホームに私が乗るモスクワ行きが機関車に牽引されて入線してきたところでした。

10両編成のうち、私が予約していたのは5号車。

 

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列車に乗り込む時には2両おきに1ヶ所のドアが開けられそこで切符(私の場合は予約時のメールの印刷用紙)をチェックされるので、乗車するには時間がかかります。

 

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私の2組前はメキシコ人らしきグループ、1組前は中国人の若者、1組後ろはイギリス人…という国際色豊かな布陣。

私のチェックは一瞬で終わりましたが、切符の定時や確認、氏名チェック(?)に時間がかかる人もおり、乗り込んだのは発車3分前という慌ただしさでした。


ホームが低く列車のデッキは高い位置なので、重いスーツケースがある人はなかなか大変そうです。

 

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ロシアで列車を利用する人はなるべく荷物を軽くしてお
いた方が良さそうですね。




いざ乗車! 3等寝台の広さ(狭さ)や乗り心地は?

それでは、車内の様子にまいりましょう!

デッキから室内に向かうと、まず無機質なトイレ、車掌室なのかよくわからない部屋(実際には係員がここで仮眠)の横を通る形になります。
車内の3割くらい進んだ位置の右手下段が私の寝台。

向い合せの椅子の状態になっており、ひとまず座ります。

座った時点で、頭が上の寝台にギリギリ触れない程度の圧迫感です。

 

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狙った席が良かったのか、予約は満席だったようですが上段に人は来ず。

途中から乗るのかもしれませんが、自力でベッドメイクをすることにします。

折り畳みテーブルを窓際に折り畳んで回転させると、椅子の部分と合せて簡易ベッド化することができます。なんという造り。

 

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布団は下段の人の分も上段に置かれています。

こんな感じで無造作に。

 

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敷布団と薄い掛布団のセット。
脇には赤い毛布もありました

枕は無いので、パーカーを折り畳んで枕代わりにします。

そうしていたら、スーッと、ゆっくり列車が動き出しました。

流れ去る、ホームの景色。
ありがとう、2度目のサンクトペテルブルク。

 

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3等寝台にはもちろんシャワーはなく、ここは遠征の必需品・ボディシートで全身をリフレッシュ。

車中泊・機中泊・野宿といった夜明かしにはコレがあると非常に助かりますね^^

過去にヨーロッパで寝台列車に乗った際、やたらうるさい集団がいてなかなか眠れず困った時があり、試合後だったので今回もそれを気にしていたのですが、深夜の発車だったからか騒々しいグループは皆無。

発車前から爆睡している人たちもいるくらいだったので、車内は非常に静かでした。

車内の静けさと列車のほどよい揺れ、そして食後の眠気も手伝ってかなり眠くなってきたので、暗いうちに横になることにします。

 

7/10早朝に日本の住まいを出てからこの時(日本時間7/11の朝9時頃)までの28時間あまり、関空⇒ヘルシンキのビジネスクラスでのフライト くらいでしか横になって寝る時間がなかったので、この列車で過ごす10時間半はなるべく眠りたかったのです。

気になる寝台のベッドサイズですが、日本人の平均的な体型である私が寝てみると、ギリギリつま先がつかない程度。
これ、大柄なロシア人男性だったら長さが足りないんじゃないでしょうか?

ベッドの横幅も、仰向けて乗るのがギリギリ。
横向きで寝た方が安定感があります。

身長180cm以上の人やガチムチあるいは肥満気味の方は3等にせず2等以上にした方が良い だろうな…というのが正直な感想でした。

 

夏至の直後のロシアは日の出が早いのであまり寝られないかな…と思っていましたが、起きたら9時。

6時間くらい寝続けていたことになります。

外は明るくなっていますが、車内の乗客のほとんどはカーテンを閉めているので暗さは保たれています。

その光を頼りに、下段の寝台で寝転がった状態を撮ってみるとこのような感じ。

 

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通路を挟んだ横、4人用の区画のベッドはこのような感じです。

 

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日本の夜行列車を比較対象にして言えば、開放型B寝台よりは狭いですが、ノビノビ座席やゴロンとシートよりは寝心地は良好でした。
(いくつかはもはや死語ですね、今となっては…)

この旅では、ロシア滞在期間も短く、そもそもあまり旅行中に携帯電話をいじりたくない性分でもあるため、WiFiは契約せず、私のスマホは無電波状態。

なので細かい位置はわかりませんが、ひたすら針葉樹林と平野といった単調な景色の区間を列車は走り続けます。

 

特筆するほど美しい車窓でもなく、天気も普通の曇りだったので、昼のモスクワ街歩きと夜の試合観戦に備えてもうちょっと二度寝をすることに。

寝ている横を人が通るとこんな感じになります。

 

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途中、いくつかの駅でアナウンスもなく運転停車し、朝にサンクトペテルブルクを出発した特急のサプサン号に豪快に抜かれる場面もありました。

この列車、全然アナウンスが入らないので、途中の駅で下車する人は気が抜けないでしょうね(^^;

二度寝を挟んでも時刻はまだ11時頃。
モスクワ到着まで2時間ほどあるため、少しばかり探検することにしましょう。

さっそく配電盤の扉が思いっきり開いていますね。

 

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トイレは意外とそこまで汚くはありませんでした。
(と言っても、決して綺麗なわけではありません。ちゃんと水が流れてトイレットペーパーもあって落書きもない、という程度の水準です。)

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残念ながら連結先へのドアは施錠されており、隣の車両には行けない構造になっていたので引き返します。

周囲は、まだ寝ている人もいれば起きて座っている人もおり、その割合は半々くらいの自由な感じです。

 

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モスクワ到着までの残る時間は、椅子モードに戻すのも面倒なのでベッドの状態にしたままで、脚を伸ばして寄りかかりながら音楽を聴いたりぼんやりと考え事をしたり。

列車の旅は、こういう時間がたまらなく良いんですよね^^

 

そんな中、モスクワまであと1時間というくらいの頃、途中駅で私の所に乗客が。

上の寝台に相当する席を取っていた人なのか、単に空いている席に座りたかったのかはわかりませんが、ベッドの片方の隅をシェア。
特に何か話すわけではありませんが、ニコッとしてくれました。

景色は徐々に 荒野または林→ベッドタウン→街…という風に移ろい、モスクワ到着が近付いていることを感じさせます。

最後の30分くらいは複々線区間になり、ずっと70kmくらい(目測ですので実際はわかりませんが)で走っていた列車が急にやる気を出し、先行の列車を追い抜きます。

 

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運転停車も多く間延びしたダイヤだったので10時間以上かかりましたが、特急なら4時間台で走破する区間ですからね。

久しぶりに車内アナウンスが入って、もう少しでモスクワに到着することを告げます。


13:02、定時というかむしろ4分早着でモスクワ クルスカヤ駅に。

 

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モスクワといえばレニングラード駅やカザンスカヤ駅といった堂々たる風貌の大きな駅が印象的ですが、それらと違いここは簡素な造りの駅でした。

まあ多客期用の臨時列車でしたからね(^^;

10時間40分の乗車ということで、日本にブルートレインが走っていた時代で言えば東京から広島付近まで乗り続けた時間に相当しますが、意外と退屈することもなく、そして劣悪な環境だと感じることもなく、普通に楽しむことができました。

 

ただし!

これはあくまで「普通」だったという水準です。

決して良い移動手段と感じたわけではありませんし、大柄な人や移動を短時間で済ませたい人にとっては苦痛を感じる乗車になるのではと感じます(^^;
ある程度海外の鉄道に慣れている人であれば、3等寝台でも身構えずに利用しても大丈夫だと思いますよ!

多少なりとも快適性を求めるのであれば、やはり昼行列車か2等以上の寝台車をお選びになることをおすすめします(^^;




まとめ:標準体型の人が一夜を過ごす分には平気だった3等寝台。格安で移動したいならアリかも!

以上、今回は 貯めたマイルでビジネスクラスを利用して旅した2018ロシアワールドカップ現地観戦旅行 の1試合目、準決勝 フランスvsベルギー を観戦した後にサンクトペテルブルクからモスクワまで乗ったロシア国鉄 夜行列車の3等寝台乗車レポート をお届けしてまいりました。

 

3等は特に何のサービスもありませんし、ただ寝るだけの簡素な空間ですが、劣悪な環境だったわけではなく、一般的な体型の人が利用する分には問題ないと感じました。

普通に考えれば2等寝台が一般的な選択肢ですし、長時間の乗車になるほど2等か1等にした方が良いと思いますが、最低限の質で良いから数千円で移動を済ませたいという人には3等寝台は十分アリではないでしょうか。

過剰な期待さえしなければ悪い移動手段ではありませんでしたよ!

 

ロシア国鉄の列車の情報はなにかと2等寝台がサプサン号の情報ばかりで3等車の情報は少ないのが実情。

そんな中で、このエピソードが「ロシア旅行を陸路でしたい!」という方にとってお役に立つものになれば嬉しいです^-^

 

 世界66ヶ国を旅し 113試合を海外で観戦した経験、そして16シーズンにわたりJリーグクラブのコアサポをやっていた経験をもとに、海外サッカー・国内サッカー・代表戦などの情報や海外・国内の旅行情報、そしてマイルの貯め方も独自の視点でお届け!
ブログに書けない内容は「サカ×マイル」のツイッターでもお伝えしています^^
⇒ @saka_mile_blog


(この記事の情報は2018年7月時点のものとなります。ご利用にあたっては念のため最新の情報をお確かめください。)

 

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